魔流の生き方
「こんな知識どこから得た?ユウゴは自分で考えたの?」
「うん、色々やっている中で、火薬では無く、圧縮した空気を出来るだけ筒に押し込めて、その圧力で押し出すと音が殆ど出ないんだ。でも、それだけなら今度は距離が出ないので、この新武器の筒を出来るだけ長くして固定化したんだ。その固定化した筒の中に弓矢型の武具に、発射された瞬間に羽が開くようにする事で、飛距離を出す。けど、父が言う目標に正確に届かせる為には、全て平行的で精巧的な対象の位置に取り付ける必要があったからね。装置はもう考えていた。すぐやれと言う指示だったから、今回考えていたこの矢でやって見るんだ」
「同時に・・色んな物も作っていたのね?ユウゴは」
「ふふ・・製造に関する限り、キランさんは絶対に手を抜かないし、細かい指示を常に出しているからね。そこが信頼出来るから、僕は色んな事も考えられる」
キランは満面の笑みとなり、この関係にも強固な信頼県警が出来ている事を嬉しく思ったのだ。ユウゴも大きく成長していた、又工夫にはエバも助力している事も忘れてはならない。そして、突如提案した網の生かし方、工夫も二人が随分色んなアイデアを出し、無傷で残っていた黒魔人洞の作業部隊のやる気を出させたのだ。これは重要な事だった。つまり、エツゴの今を生き抜け、その為に生きよ。その先は自分が手中に必ず出来ると言う言葉が浸透しているのであろう。
北ヘは空船を利用した。丁度北に向く風が吹いていたからで、帰りは東平原からゆっくり戻って来るコースを利用し、前線に居るスエラに伝えた。ビゼンにも西ゝ平原への奇策を伝えてある。又網も同時に使う事を知らせた。その奇策はユウゴから出ている事にビゼンは大きく頷きながら、
「軍師であるこの我の考えを軽く超しやがる。ユウゴには驚かせられる事ばかりだな」
だが、それは硬直状態の北、西ゝ、更にもっと南の民の存在も伝えられて来ている。幸いに東平原奥は火山が多く、ここには殆ど棲息出来るような環境は無かった。火山は今も噴煙を上げているし、有毒な煙を放出し続けているからだ。空船には、今で言う防毒マスクも通過時には用意している徹底振りであるし、その空間を飛来中に乗り込む者が一端避難出来る場所も用意してあると言うから、相当にエツゴ隊は色んな検証を重ねて来ていると言うのが分かる。全てはその環境にいかに適応すべきかが、この恐らく生き残り戦争になるのだろうこの先の事に繋がっているのだ。戦いは必須だった。エツゴはとにかく同じ言語を話す周辺の部族達を一端、まとめたのだ。これから先は全て相対するのは敵でしかない。
最初に撃ったのは、森の中で確認されている梟に向けてだった。そして、それは音もなく高速でその地点に到達するや、ぱあっと光の粒が輝いたのである。梟は夜行性だ。その強い光に動けず、遠眼鏡によって位置を捕捉されるや、続いて二の矢が飛んで行った。そして殆ど性格にその梟は大型であった。大鷲の半分程度の大きさもあり、胸に今度は本当の矢が刺さった。しかも、それだけでは無かった。その矢は矢尻になっていて、梟がまるで空を飛ぶかのように、エツゴ達の陣地に引き寄せられたのである。




