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魔界との戦い  作者: 白木
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奇妙な敵が出現した!

「いやあ・・こいつらには魔人達のような剛力も無いし、道具もそうだけど、そんな事を本当にしたのかどうか・・怪しいっすね」

「ふうん・・なら、知力を持っていると言う事か、何かの策を用いているとか?」

「でしょうね、でも、今時点で分かる筈も無い。天鳥を食っているのは確かなんで、俺達も食っているから、これから戦いは避けられないでしょうね。でも、こっちは、自分達で卵を孵化させ飼育数を増やしているから、そんなに捕獲して来る必要も無いと思うんで」

「ふむ・・それはそうかな。で?お前の・・閲呉、翼はこの天鳥の羽毛の改良か?なかなか良さそうだな。それに行動力が広がる」


 室蘭はそっちの方に興味があったようだ。とにかく、この捉えた山岳人種はそのまま抜燐に預ける事になったと同時に、我利は室蘭の腹心から外され、恵比寿部隊長の下に入る事になった。今で言う異動である。それも信用ならんと言う×点付きの左遷と言う奴だ。

 つまり、そんな閉鎖的環境であり、彼らが言うと言う通り周囲は不可解な事ばかりである。また、気を抜く事があれば確実に全滅の憂き目にも遭うような、自分達人型以外は皆敵なのである。それに、魔人達が何故家畜になり、その形態を急激に変えたのかすらもさえ分かっていないのだ。それを恐らく抜燐は今までの軍師的な役割を離れて燕尾を育て上げ、純粋なる学者的立場に身を置いたのでは無いか。それは、確実に彼らは自然と組織としての形態を整えつつあると思われる。ただ、それには当然時間もかかるであろうし、複雑な今は単調な寄合部族的よりあいぶぞくてきなものであっても、やがて派閥と言うものも出来て来るのだろうが・・そこまで行く高度な組織になる前に、とにかく眼前の敵と対する事が全てなのだ。

 そんな中で、小さな仲間同士の衝突があった、馬路と衛琉・・共に中隊長と言う今で言う同格の将であるが、些細な事で喧嘩が始まったのだ。馬路は閲呉を非常に買っている。だが、衛琉は安良オンリーの女性武将だが、どうも勝手な行動ばかりしてその安良より目立とうとする閲呉が気に要らないのだ。それは仕方が無い事だ。どんな世界においても、必ずそれはある。馬路は言う、今はやっと自分達の現状から離れて、この大地を自由に行けるようになった。自分達の役割とは、この穏やかな日常を確保して行く為に、巡回し、確実に食糧となる今は栄奎なり、桧葉なりをもっと繁殖させ、そして、従順過る程になった魔人達だが、この檻から出さず飼育する事によりその住民の胃袋を満たす事だと。それは衛琉もほぼ同じ考えなのだが、今は天鳥と言う恰好の食糧が飼育されつつあり、この魔人達を調教し、大地を耕し肥沃な大地にしようと言うもの。その為には閲呉隊を岩山に派遣し、魔人達の数を減らしてでも天鳥を主体にしないかと言う事である。馬路は怒った。


「何で、急にそんな事を言い出したのか」と・・。


 即ち、衛琉は安良をもっと上に上げたいし、その自分達の担当エリアを拡大させ、その食の独占を目論んでいるのだ。それも、恐らくそう言う事になるだろう近未来の集団組織が生まれれば、必然の理なのだ。馬路は、今を安定させずに、そんな話等は目先の話だと怒っているのだ。その主張・・相容れない部分もある。だが、ここもはっきりとそれは駄目だとか、良いだろうと決まっている訳では無い。ただ、閲呉と言う有望な将軍を心には必ずしも思っていないものの、売り言葉に買い言葉でそんな天鳥収穫の為に派遣するならば、それならば、馬路自身が出向けと言う事らしい。


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