本当の魔界とは・・
ビゼンが、
「どうする?エツゴ。ガリに任せるのか?この南索道を、このまま」
「いや、そこで止まれと指示した。まず、エバ、お前は俺と来い。そのガリの位置までこれから行こう」
エンビが反対した。
「エツゴ、何を言うの?そんな前線にエバを連れて行くなんて反対よ」
「心配するな、ならエンビ、お前も来い」
「じゃあ、僕も連れて行って」
ユウゴが言うものの、エツゴは、
「ユウゴ、お前はこっちに居ろ、その素材をキラン、ヒリュウともっともっと検証しろ。そっちが先じゃないのか?」
「で・・でも」
「これは俺の指示だ」
「はい・・分かりました」
ユウゴは興味深々のようだったが、シュンとして頷くしか無かった。エツゴの指示とは命令の事である。以前とは違い、それは重みがある。ビゼンが、
「自分も行くべきでは?」
「いや、ビゼン、お前は北の民の前線基地にこれから迎え、どうやら同時に今まで捉えられなかった存在がここへ来て出現したようだ。今すぐそっちに迎え、ブッタン、キガを同行させる」
「わ・・分かった」
急に何かが動き出そうとしていた。そのエツゴの感覚は誰にも読めない。同時多発の情報をその頭で瞬時に処理できるのはこの男しか居なかった。
エツゴが、エバを連れてガリが停止している前線場所までやって来た。




