奇妙な敵が出現した!
抜燐が伝えた情報は、少し驚くものだった。
そして、先に詳細を聞いていた燕尾に対し、自分達の所に戻って来た会話より・・
閲呉が燕尾に聞く。
「どう言う類の怪物なんだろうな・」
「とても素早いらしく、黒の10本脚の怪物も強烈な奴だったけど、相当暗路の中で死闘を繰り広げていたらしく、そこで、壁を強化し、これ以上入って来られないように、暗路の4分の3程度進んだ所で止まったようなのよ」
「それは、お前に指揮権を譲ると抜燐さんに伝えられた時に聞いたよ、その後俺達はあの翼で岩山の向こうに行こうとした、何度もだ。しかし、燕尾、お前はその度に止めただろ?」
「危険と思えば止めるわ。でも、進めば恐らくこちらに相当の被害が出ていたと思う」
「姿を見たのか?そのお前に言う言葉にはある種の恐怖心もあるように思える」
閲呉は勇猛だ。恐れ等無い。しかし、燕尾は言う。真に強い者とは恐れる事も必要なのだと。その言葉の理解は閲呉には出来なかった。側近の副将となっている我利が言う。この男は寡黙だが、やはり勇猛な将の一人だ。そして、総大将の室蘭の側近でもある。室蘭は複数の隊を掌握している、こちらも猛将だ。
「閲呉隊長、今はまだ攻めるにしては情報が少ない。燕尾の言う所の事は良く分かるが?」
「確かに得体の知れないなんて言うのは、全く不明な相手だと言う事と、あの黒い怪物の子孫達を全て駆逐したと言うのなら、相当手強い相手だと分かる。そいつが、あの岩山向こうの場所に棲息していると言う事は確実なんだな?」