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魔界との戦い  作者: 白木
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再出発までの準備

 うんうんと頷きながら、彼らは何かをやろうとしている。手っ取り早いのは、彼らも飛翔術は習得しているので、それをやろうと言う事になった。そこで燕尾が、


「あ・・あの天鳥の羽・・桧葉より使えそうじゃん?」

「ほう・・確かに。すると・・ぴんと来たぜ。その羽を利用しようと言う計画か、なら軽くて桧葉より使いやすい」

「燕尾・・今ふとお前が言わなかったら、肝心の抜燐さんの狙いが分からなかった所だよ。それを量産するつもりだったんだ」

「なら、先に作っちまおうぜ。その前に天鳥を捕まえに行く」

「飼育する為に?」

「いやあ、捕まえて食っちまうのさ。羽だけむしりゃ良い。かなりの数が居るんだろうぜ、山の上にはさ」


 それは彼らだけが実は成し得る計画だった。つまり夜眼が利くのだ。彼は、夜にそれを決行する事にしたのである。そして、頭抜けた身体能力は、簡単にあっち側にも行けるだろう。まずは、その飛翔する羽を収穫し、改造する事を抜燐達より先にやろうとしたのである。この段階ではこの集団での生活の中で、厳しい戒律も無ければ、規律を守らないから罰すると言う事も無かった。つまり、彼らが実際に何をやろうとも自由なのである。ただし、自分達の危険が降り注ぐような真似はするなと言う事は言われていた。これが危険を誘導する事とは微塵も思わなかった彼らであった。

 捕獲は簡単だった。天鳥は夜目が利かなかったからだ。攻撃して来ても嘴でつつく程度の事など彼らの身体能力を持ってすればいとも簡単に組み伏せられ、ばりばりと羽をむしられて焼いて食われてしまった。その数約10羽と言う所だろう。ざくざくと体を切り、鍋のようなものでぐつぐつと煮られ、3分の1は4名の腹に。残りは容器に入れられ、持ち帰り仲間に配られた。1マムある体とは言え、肉として食べられる部分はそう多くは無い。その10分の1位だろう。ただし、この4人共に大食らいのメンバー達だったので、キロ数に換算すれば、10キロ位をあっと言う間に食ってしまったようだ。天鳥は美味だった。成程飼育をすると言うのは、繁殖力も高い事から赤・緑・白魔よりも効率も良い。以前の姿からは想像も出来ぬ、言わば豚同様の姿になった魔人達は栄養価的には高いものの、この1000名の人員の腹を満たすには足りていなかったのである。

 そうなると、確かに抜燐の計画とは、実に理に適っているようだ。彼らの行動が実は、ばれる事は全く無かった。余りにも鮮やかな方法で、しかもあっと言う間にやりのけたからである。つまり、彼らは、やはり特異なメンバーが揃っている事になる。後に遊撃隊と呼ばれるが、第一線で活躍する4名はその中でも抜けた存在となる。


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