再出発までの準備
「その位の情報は入って来ているさ。だから、俺も動けてないんだよ」
その辺は惔倹からも聞いていたのだろう。この部隊が動けないのはその為だ。しかし、今や組織として一応の命令系統で動くようになっている以上、勝手な行動は出来ないのだ。法や決まりのようなものが一応出来つつあるのだ。それは、抜燐が一応の指揮権を持っている事になったからだろう。
「で、さあ。閲呉はどうしたい?やっぱりあっち側を見たい?」
「そりゃあ、勿論さ。うずうずしているさ」
「じゃあ、行こうよ、あたい達で。数人でさ」
「燕尾・・お前」
閲呉の眼がくりくりとした。
「そうしたいんでしょ?」
「ああ・・だってさ、おかしいんだよ。こそこそと急にしだしてさ。あの怪物は確かにやばかったけど、俺達をその先に行かせないようにしているように思えるしさ」
「そこ・・閲呉。おかしいと思っていたんだね?」
「ああ・・急にイケイケの話がストップ状態になっちまった」
燕尾も閲呉がやはり何かを感じていた事を知り、惔倹、饗場を呼び、4人で行動をする事を相談した。それ自体何らおかしい事では無い。彼らは、何度もそう言う会合と言うものを自然と行い互いのコミュニケーションを取って来たのだ。
饗場が言う。
「とにかくよう、あれから何も指令も無いし、俺達の出番がないんだよな」
「自負するようだけどさ、俺達の閲呉軍団は最強だと思っている」
惔倹もいらついているようだった。
「つまりさ、飛翔隊が何かを見た。相当やべえ奴が居るって事なんだろうな」
「うん、あの黒い怪物よりやばいのが居る訳だ。それをあの天鳥なんかを見せてさ、それを新な飼育種にする事なんて、わざわざ呼ばれる事じゃねえしな」
「そりゃそうだ。捕獲を手伝えと言うのならともかくさ」