展開が変わった
「そうだ!だから、俺達の命はどうなっても構わん。しかし、家族の命だけは」
「馬鹿か?お前達。黒魔人に捕らえられている家族の命をどうして、俺達がどうこう出来るんだよ」
ビゼンは苦笑する。エツゴはまだ無表情であった。
「しかし!俺達が知る黒魔人達の情報はお前達に提供出来る。それに、俺達が捕らえられている事が知られれば、やはり、家族の命も無いだろう事も分かる。だが、喋らせてくれ」
「言って見ろ、黒魔人達は、お前達の情報をどうしているかと言う事をな」
エツゴがそこで、やっと口を出した。ビゼンが、
「エツゴ、もう、2・3本折っておくか、こいつらが出鱈目を言うかも知れないしな。仲間を裏切るような輩の言葉など簡単には信じられん」
「おう、腕一本、足2本でも斬っておけ」
「ひ・・ひぃいいいいーーー。言う!言うからあっ!」
しかし、刀は振られた。
「ぎゃああああっつ!」
しかし、キランはやっとここでからくりが見えたのだった。実際に彼等の手足が落ちている訳では無かった。霧状のものは、つまり、そう言う攪乱物質らしい。最近になって、少しずつ分かって来た事は、この黒魔人族がこう言う物質を使い、実体を隠していると言うものだった。
「ふう・・ふう・・」
もう息をしているのもやっとの状態だった。もはや、彼等には、今更嘘を言うつもりも無いらしい。
「黒魔人達は、そう多くない。しかし、独特の言語を駆使し、我らの言葉を通訳してこの上原族の情報を集めていた。階級があり、上・中・下と3つあり、上階級は3名、中階級は100名、下階級は500名である」




