展開が変わった
マビがきっと眉を吊り上げ、エツゴを睨みつけてそう答えた。
「良いさ。その内言いたくもなると思うぞ?お前達は、拷問と言う言葉を知るまい」
「拷問・・な、何だ・・それは」
何かをされる事は、エツゴの眼光を見ても明らかだ。その顔を見て少しマビは震えた。
「準備を・おい、エンビ、お前は今身ごもっている。席を外せ、キラン頼む」
「え!」
キランがエンビをその場から退出させるのであった。キランは又戻って来る。
エツゴは、
「今までな、俺もこんな事はしたくは無かったんだよ。でもな、今俺達が生き残っていく為に闘うのには、こう言う拷問と言うのも手段だと俺は思う。ビゼン、始めてくれ」
「は!」
キランの体が小刻みに震えていた。エツゴをずっと見て来たが、相手を傷つけ、苦しませて拷問を行うような行為はした事は無かったのだ。戦う事は命のやりとりである。その為に、当然致命的損傷を与える。しかし、もうそこから回復などしないと判断すれば、苦しむ敵に対し、エツゴはあっさりとその命を絶った。口を割りそうのないこの二人ではあるものの、ビゼンは、拷問をすると言う前に霧状のものを二人に噴霧したのだった。
「な?」
キランには分からなかった。例えば、油を吹き付け、焼こうと言うのかと思うや、その通りの事をビゼンが言った。
「ここに火がある。お前達には、理解出来ような?この意味が」
「殺すなら、ひと思いにやれ!」
「ふ・・拷問だと言っているだろう?その意味がもうお前達にも分かるであろう?」
にやりとするビゼンに、無表情でエツゴは黙っている。
「まあ、その前に、こうだ」
「ぎゃああっつ!」