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魔界との戦い  作者: 白木
135/146

展開が変わった

 ギゼン族は、相当数減っていた。それは、半数の者達が、まるで目が覚めたように意識を取り戻したのである。半数の者とは、約3000名になるだろう。姿も上原族に戻ったのである。そして、言語もやはり複数あるものの、そう大きな違いは無かった。つまり方言のような違いであり、どうにか通じたのは、文字を解すると言う事だった。

 その説得には、ビゼンが立っていた。

 当然時間は掛かる。しかし、上原族に戻った彼らは非常に穏やかであった。少なくても肉食で凶暴化してしまった姿とは想像も出来ないものだった。そして、もはや脳髄までも魔虫に侵されたギゼン族を見て、怯えた様子であった。これを見てエツゴは、大丈夫だと判断したのである。

 状況はここへ来て変化を見せ始めていた。だが、これで平和で争いのない日常が得られる訳では無い。まだまだ不可解なる黒魔人等警戒を続けている敵が居るからだ。そして、やはり魔虫に完全に脳まで支配されたギゼン族は排除しなければならない。それも簡単な事では無いのだ。上原族の兵力が増えたとは言え、戦いに一方的であるとか、有利であるとかの慢心があれば、あっと言う間に戦況はひっくり返されてしまうだろう。

 エツゴが、エンビを呼んでいる。二人は夫婦であるし、彼女には既に子が授かっているようで、最近は軍師的役目もビゼンや、キランに譲っている。しかし、常にエツゴの傍に居て助言を行う立場である。


「ヤケンに何を指示したの?」

「ああ・・エンビ、お前にだけは言っておかないとな、実は薬湯の件は伝えてあるが、魔虫の棲む湖には、熱湯が湧きだす数か所から、その湯が流れ込むように工作をしている。幾ら魔虫がここだけに棲息すると言っても、この湖の水にこの危ない対象が居る限り、又第二、第三のギゼン族が生まれるかも知れない。ギ種については、もう湖から川への流入を止めたので、これ以上魔虫に寄生され肉食化もするまい。そして、この地に棲息する・・別の種になるんだろうが、地蚯蚓を食っていればそれでこの地域については、俺達にとって脅威の芽は防げる筈だ」

「その考えは、納得しているわよ?」


 エンビは首を傾げた。


「うん、でな?この魔虫を含んだ水を相当量汲んで欲しいと指示をした」

「まあ!何の為?魔虫を封じる為に滅す方法を選択したのなら、今更そんな魔虫を採取してどうするのよ」


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