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第1章 勇者現る
「幾人かは失ったが、緑魔と戦う事と食う事。そして戦術と言うものを初めて抜燐より提案され、飛翔部隊と言うのが出来た事によって、相当の事が分かって来た。つまり俺達は、ある限られた真円状の平地に居る訳だな。そして、魔人達はその岩窟の中に住んでいると?」
抜燐は頷き、
「今の所そのような検証結果で御座る。ただし、今の所は・と言う事で」
「うん、そうだな。俺達は、実際なんでこんな場所に住んでいるのかどうかも分からないし、先祖から口頭でのみ伝わって来た事しか知らないんだ。だから、この生活が当たり前の様に思っていたんだ」
「それは、他の地区も同様であろう。しかし、この戦いは、こちらの人を段々と少なくして行くだろう。無傷では終わらないものだから。それを知り、戦うと言う事に工夫をする。つまり、それが戦略なのだと思う訳であるが・・」
戦略・・その言葉は既に浸透していた。




