異様な族
「ほう・・でも、あの怪物に石爆や、色んな攻撃は試したのか?俺はこっちには居なかったからのう」
「ああ、お前はビゼンと色々行動して貰っていた。だから、今度は俺とこれを試して見てくれよ」
「とにかく・・やって見る。あ・・眼が良いのは、もう一人居るぜ?最近では15になったばかりだが、エビス大将補佐の息子のビルがそうだ」
「すぐ呼んでくれ・・地伝達でも空伝達でもどっちでも良い。ビルの安全は俺が守る」
「分かった」
すぐビルはやって来た。成程エビスも猛将の一人だ。とても凛々しく、一目で逸材だとエツゴは見抜いた。そして、まずテストをした。
「ビル、前方に黒い大きな怪物が見えるだろう?あの背に何か居るのが見えるか?」
「ええ・・2体のそうですね、耳が異常に大きく、頭髪が無く、手足がまたとても長い・・え?眼も3つあるんですね・・いや、裸の胴体にも2つ・・右手に笛を持っているような」
「おおい、おいおい。お前・・ビル。ガリと見張り役は交代だ。ガリは笛を吹け。ビルに様子を見て貰う事にするわ・・はは」
驚くべき視力をビルは持っていたようだ。
その事を詳細にビゼンに語るビルに対し、エツゴも良く一緒に聞いていた。未だかつてそのような姿が十分に見えないような敵など居なかった。きっとそこには何らかの理由、情報が隠されていると思うからだ。そして、最近では軍師役をビゼンに譲った形のエンビであるが、彼女がエツゴの妻である事はもう公然であったが、実は非常に彼女がバツリンも認めていたように、優秀な者であるその才は、軍師役と言うよりも他にあったようだ。この話を一緒に聞きながら、こう言った。
「これ・・私が創ったものなのよね。この木の輪だけど、ビゼン、エツゴ、ビルも良く見ていて」
「ん・・何だ?」
話の筋が見えない。突然エンビの言う事に思考がついていかないのだ。
エンビは続けて言う。




