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魔界との戦い  作者: 白木
122/126

異様な族

 上原族盆地の横に、いびつな形であるが、約半分程のやはり火山噴火口跡地がある事が判明していた。つまり、そこが小人と呼ぶ知能を有するであろう異様な族人が住む地である。ギゼン族は、依然としてまとまりが無く、あちこちに出現しては上原族と戦いも繰り広げているが、噴火の跡の地形は益々進軍するには困難で、ギゼン族も同じ事である。噴石爆弾は投下しているものの、数個体を倒す程度で大きな成果は上がっていなかった。何名かの腕自慢と武将がギゼン族亜型と戦ったものの、逆に命を失った者や、重篤な傷を負った者も増えており、そこにはビゼンがエツゴに、めいめいに勝手な行動を許すからだと厳しい口調で幹部の武将が詰め寄る場面もあった。エツゴもそれは十分に分かっていた。いたが、目的である小高い丘周辺においてのそれは戦闘であるので、これを中断する事は出来ないのだ。加えて、ここでもやはり魔物使いが出現しているようだ。実質ギゼン族を仕切っているのが、この小人と言う事になる。その姿は、毛が無く、ほぼ黒色の体で、手足が異常に長く、そして目だけが大きかった。その眼も左右の2対では無く、頭に3つ、胴体にも2つあるような異質などうやら人種らしい。それは、ガリが言う特徴をエツゴが似顔絵にして示した姿だった。

 そして、とても俊敏であり、肉眼では殆どその全身を捕らえられなかった。又、魔物はまた新たな怪物級の個体が出現して、命を失った数名はその怪物に殺られたもののようだ。


「ガリ、笛の音階は全て違うと言うんだな?」


 ビゼンが聞いた。この場ではエツゴが横からまた色んな事を言い出すので、彼を排除していた。情報をきっちりと正確に彼は把握したかったのだ。その理解をエツゴが自分自身でしているのではなく、軍として伝えねばならない使命がある。そのエツゴは、エンビ、キランとその丘近くに居た。その岩山みたいに皮膚がごつごつとし、大きな口をぱかっと開けるカバ風の怪物は、意外にも突進力がとてもあって、折角構築していた丘までの塀を破壊しているのである。エツゴは、ここを守護しているのだ。


「おう、今回の化け物には2つの影が見える。背に乗っているようだ」

「背に乗っている割には姿が我々には見えないんだが・・」

「分からねえよ、しかし、俺にもぼんやりとだけだ。正確には見えていない」

「ふむう・・で?笛の音階は分かっているだけの物を、ガリもカナ文字が使えるようになったのだろう、自分に示してくれ」

「分かった・・」


 ガリが楽譜のようなその音階をエツゴに見せ、今度はエンバを傍に呼んだ。


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