改名を発表する?
「あ・・済まん」
「傷は浅いし、良く効く塗り薬と言うのが開発されてな、それが岩体に生える楽理なんだ。平地に植えたものは効果が薄い」
「あ・・そうか。天鳥も岩山の上に居る個体は元気だもんな」
エツゴが大きく頷いた。
「この情報提示は、非常にこれから役立つと思う。自分達には。そう言う文化のようなものが必要だったんだと思う」
「ふうむ・・昔はあったと言う事は、耳洞族の武具を使うギゼン族とはその遺産をどうやって・・」
「恐らく、正常と言えばおかしいが、バツリン師を見ればそれだけの文化があった訳だ。魔虫に侵される前の武将なんだろうが」
「いや、それは分かっている。つまり、どこかにその武具が保管されていると言う事だろうな。あの噴火で相当部分は消失したとは思うが、何しろ平原は広大だ。俺は西から北へと向かって探索をして来た。しかし、勘のようなものが働いて、反対回りの西から北へはまだ行ってないんだよな。そっちには緑魔洞がある。あるが、魔洞はそっち側には貫通していない」
「飛翔隊は、既に探索しているよ、エツゴ」
「え・・何時の間に?」
エツゴの眼がくりっとなった。
「ただ、そっち側に今まで行けなかった理由がある」
「何だ?それは」
「風だ。逆風が常に吹いている。飛翔隊では相当厳しい」
「そうか・・そうだったんだよな。俺はだからそっちとは逆から探索した」
「常道と言うものだ、それは。ただ、岩山はすぐ隣にあって、つまり、こっち側の盆地と隣り合わせにその盆地のでっぱりがあるんだよ。峡谷のようになっている。だから、風が強いんだ」
「そうか・・良く分かった」
エツゴが納得して頷いたのだった。
今度はビゼンが傍に来て説明を始める。




