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魔界との戦い  作者: 白木
114/306

改名を発表する?

 エツゴは、バツリンが書籍化したものを見せられながら。ギゼン族と戦った事の報告をすると、


「あれ程・・単独行動は駄目と言っているのに・・」


 ビゼンは眉を曇らせた。


「すまん・・どうしてもギゼン族の事を知りたくてな。このように色んな事を同時に行いながら、監視隊、調査隊、研究隊、色んな役割を俺達の住む盆地は確かに狭小かも知れないが、このように人工的に抜いた坑道もあったり、この岩山にはとても強い豪風がずっと吹いている事で、奇跡的にここには敵も攻めては来ていない。敵と言うか・・全ては、うん・・敵なんだな、これが。その中で、俺達の集団は耳洞族が加わってくれたお陰でやっと1500人程度で、各小集団で生活していた過去から、一つの集団、組織としての仕組みが出来つつある。バツエツ師のやはり知識は、その昔に耳洞族が相当高い文化と言うものを持っていて、そのお陰で、どうにか今は教育って言うんだよな?こうして書面も出来て来ている。今までの口伝えじゃないんだ。地伝達や空伝達は今も行っているけど、相当に連絡網は充実したと思うんだ。その中で、大事な事は常に情報だ。それも早いに越した事はない。いまどうにかギゼン族を退けているし、あんな怪物が居ても、黒魔洞には入って来られない大きさだ。まだま不可解な魔物も多いんだろうが、あれ以来あの手の怪物には遭遇していないんだ。それで、相当数の巍種の皮は集まったんで、砂漠地帯の探索は置いといてこっちの平原対策をと思ってな」

「分かるんだよ、その考えは。でも、もし大将がコケてしまったら・・いや、エツゴがとても強いって事は誰もが知っているし、ムランを始め、豪将は何名も居るし、滅多な事では倒されはしないだろう。しかし、それは絶対では無い。強かっただろう?ギゼン族亜型は」

「・・ん?亜型だと?」

「ああ、亜型と名付けたのは、もう一種の乙型と区別する為だ」

「成程、そう呼び分ける方が分かりやすくなる」

「その亜型とはムランもエビスもヤスラも闘っている。倒しはしたものの、殆ど間一髪でやられる寸前だったと聞く。エビスは傷を負った」

「え!傷を負ったのか?で、それは報告には」


 ビゼンが、


「だからな、報告しようにもあんたが居ないじゃないかい」


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