改名を発表する?
飛矢の名手であるヤケンは、言うが早いか正確に怪物の尻の穴を目掛けて、強飛矢の一番強い毒を塗った物を放った。
どすん・・怪物は声も無く、どすーーーーんと倒れたのであった。その瞬間、今まで逃げ回っていた巍然族が、わああっと寄って来て、持っていた武具でがんがんと硬い皮を剥ぎ、貪り食うのだった。
「ありゃ、毒が回っている怪物の肉を食ったら・・」
案の定、巍然族もばたばたと倒れて行く。しかし、倒れても倒れても巍然族は奪い合うように、その怪物の体をばらばらにして貪り食うのだった。
余りの光景に、エツゴすら眼をそむけるのだった。
「う・・こいつらは、やっぱり俺達とは違うわ。食う事しか無いんだ」
ビゼンも、
「やはり滅するべきは、魔虫なんでしょうが、その魔虫を絶滅させる事など不可能。良く煮て、焼いたもの、沸騰させた水しか飲まぬ事を徹底せねば・・そして、キランに少し申し上げる」
「え・・」
ビゼンの少し厳しい顔に、キランは少しどっきりとした。
「この毒矢は、封印すべきと思うがいかに?」
「確かに・・この光景を見て、正直体が震えた。このような策は怪物のみに用いるべきだと思う」
「いや、違うよ、キラン」
「え?」
ビゼンが否定する。
「毒を用いるとは策だ。そして、その通り実行した。しかし、毒と言うものは、その逆も考えるべきだと思う。つまり解毒薬は必要ではないのかな?毒がこの先我らにも用いられるとは思わないか?幸いにして眼前には、知能を持ったような対象は居ないようだが、我らのような存在はきっと居ると思っている」
エツゴが頷いた。




