第1章 勇者現る
「だが、皆が飛べる訳でも無いからな、飛翔部隊によって、この囲まれた平地にどの程度の者が住んで居るかを把握する事が大事だと言うのは分かったよ、うん」
「色々、考えて見るし、地伝達や、音伝達の出来る者も相当数居るようなので、また部隊を編成して見ようと思うが?」
「任せる。お前は知恵者だ、その辺は、俺達は戦いのやり方を少し工夫して見るさ」
「うむ・・」
この間にも日々戦いは続いていたし、犠牲者も毎日出ていた。どんどん子供達が誕生する訳でも無いし、人達の数が毎日減り続けている事は確かだった。抜燐は地図を作製していた。周囲がどの程度のトイ=キロあるのかと言う事だ。そして、それはほぼ円周と言うか真円に近いものである事も分かり、飛翔部隊は新たな緑魔に遭遇していた。
加太は、
「初めて見る・・緑の魔人だ。誰かを襲っている。あ・・あれは・・」
一人の豪将と思われる、とても素早い動きで飛び道具のようなものを駆使し、やはり人の2倍は優にあろうかと言う、トカゲ?を想像させるような緑魔と戦っていたのであった。
「助太刀をしよう、あの緑魔も相当強そうだし、武具を白魔と同様に持っているようだ。あの*びゅんびゅんとひも状の物を振り回していては、飛び道具しか使えないからな。よし、俺達は空から石爆弾を投げて見よう」
「はいっ!」
*ずっと後に出て来る敵も同じようなものを振り回していた事をここで重要な点
衛琉は優秀だ。実は閏琉は恵比寿の側近で、眼をかけていた女性武将でもあったのだ。その石爆弾を空から投げると、予想も出来ない位置から緑魔の後頭部にそれは見事に命中し、どどんと言う音と共にその緑魔は倒れたのだった。
「あれっつ!一発じゃん」
衛琉の眼が点になったが、その武将は体に装填していた刀でズバッとその緑魔を切り裂いたのだった。飛翔部隊がその武将の傍に・・
「お前達は?」
今で言う美形の男だった。凛々しい過ぎる程の男前に、衛琉の顔が染まった。
「助かったけど、お前・・赤魔見たいに顔が真っ赤だなあ・・」
「え・・恥ずかしい」




