改名を発表する?
「とても長く、そしてとても強力な武器にもなるようでした」
「うん、ビル。お前はとても良く見て来たな、その相手に対して詳細な観察もしている。お前は、後部のヤスラ部隊に入れ」
「え・・」
エツゴは、即決でこの男の非凡さを感じたようだ。
事実、このビルは非常に遠目があると証明されている。貴重な一員となるのである。
ブッタンが戻って来た。同じような報告をしている。
「そうか、爆玉も余り効かなかったんだな?」
「ああ・・数発は確実に当てたんだが、とても硬い皮膚だ。殆ど効いていない」
「まあ、方向をギゼン族の方に行かせたのが良かったな。これでは、迂闊にこの北の平原も探索出来ないぞ・・うううむ」
「この怪物も又魔物っすよね?勿論だけど」
「ああ・・察するに巨大化するのは、餌を多量に食うから。この場合、ギゼン族が恰好の餌なんだよな、勿論」
「戦闘力的に見れば、遥かにギゼン族は俺達より高い。その相手が簡単に食われる怪物等なんて迂闊に手が出ないぞ・・何体居るんだろうな?」
「分からないすよ」
分かる筈も無かった、現時点ではそれはそうだろうなと誰もが思った。
「しかし、ここで諦められはしない。ギ種の皮を確保するのが目的だったからなあ」
エツゴには諦める訳には行かない理由があった。それに、こんな怪物がまだ何種か居るのかと思えば、益々巍然族は食糧に瀕し、又追われて黒魔洞まで逃げて来るだろう。次に食われるのは自分達なのでもある。戦わないで済む事も無いのだ。
ここで陣幕の中で、ビゼンがこう言い出したのだった。
「ギゼン族の方向にはビエロが居ます。どうでしょうね。どちらがが勝るでしょうか?ビエロも硬い甲羅を持っており、大きさも互角です。ただ、片方の動きはのろいんですが。防御力は勝っているかも知れませんし」
「ほう・・確かに東と言うんだよな?そっちの方向にはビエロが数頭居る筈だ。どっちも魔物、戦わない筈が無い」
「そうです、ビエロは我々には益獣となっておりますので、これに加勢すればいかがか?」
「加勢する?ビエロに?」




