特殊能力
【レイサイド】
意味が分からない。
戦争?特殊能力持ちが集められた孤児院?
神無月は覚醒させただけ?
こんな平和な世の中で、戦争が起きる…?
師匠とやらが起こすらしいが…………
いや、待て、師匠は………
「さっき、師匠は死んだとか言ってなかったか?」
話の矛盾に気付く。
師匠ってやつを、俺は知らない。
「良いところに気付いたね。」
イツキはニコニコと笑う。
「師匠の身体は死んだ。だが、ノアは何だった?」
「師匠の…クローン………まさか……?!!」
「そう、師匠は自分のクローンを生み出している、それが師匠の特殊能力だ。」
「特殊能力持ちには、核というものがあって、それを覚醒させると、ある程度『目覚めさせる能力』をコントロール出来る特殊能力を目覚めさせる事が出来る。」
「つ、つまり……?」
「簡単に言うと、潜在能力ガチャ!みたいな?」
神無月がピースするが、そんなものを見る気分じゃない。
「自分がなりたいもの、使いたい物、そういうのを内面に持っていると、そういう形に変化したり、使えるようになるって事。無意識にも、意識的にもね。」
「………じゃあ俺は、この角とか羽根とか………」
「こっちで意識させてない限り、自分で選んだって事になるね…。」
「……………………。」
急に恥ずかしくなる………。
「でも僕は、みんなの命がかかってるからね。解毒や透明化を自分で選んだんだ。」
「ど、どうやって……?」
「麻酔無しで、手術を受けるんだよ。意識を残す為にね…。」
「………っな!!!」
「因みに、ヒナちゃんもそうだよ。君は、記憶操作されて覚えていないと思うけどね………」
「…ヒナが?!どういうことだ………!」