番外編〜後編〜
【番外編レイサイド】
普段以上にニヤニヤと笑う神無月に呼び出されて来てみれば…ナナと見覚えの無い女の子が居る部屋に案内された。
あんな子居たっけ?とよく見つめてみると…誰かに似ている気がしなくもない…
だが、とてつもなく可愛い事だけは分かる。
いつもノアとヒナの事しか頭にない俺だが…無性にその子の事が気になった…
「………っレイ!なんでここに?!」
横のナナがびっくりして睨んでくるが…俺は下を向きながら赤んでいるその子に声をかけた。
「…君、名前は?」
「…………」
途端に神無月とナナが口をぽかんと開けた。
少し、紳士過ぎただろうか…なんだか、初めて女子と口を聞くみたいに緊張する。
「………レイ…僕、ノアだよ………」
「……………へ?」
今度は俺が豆鉄砲を食らったような声を出して唖然としてしまった。
「………ぷっ…あっははは!あは!あはははは!」
ナナが盛大に笑い転げる。
神無月は不憫そうな表情で笑いかけてくる。
「………いや、ちょ、おま………ぇ?」
「…レイ、僕ってそんなに、分からなかった?」
「…いや、だって、それ…」
俺は、正直…顔と虚乳にしか目がいってなかったのかもしれない…
良く見たら羽根も薔薇も丸出しだし、ノア以外でないはずがない…
「………し、仕方ないだろう…!可愛かったんだから…!」
苦し紛れの言い訳をするが、部屋には笑いの止まらないナナと、目の光を失ってグッジョブをする神無月と、めちゃめちゃに照れて可愛いノアしか居なかった。
誰か、嘘だと言ってくれ………
俺はこの日、人生最大の汚点を作ってしまった気がした………




