悪戯
【キラサイド】
最近イツキも神さまも忙しそうだ。
あんまりにも構ってくれないから、少し悪戯を仕掛けに行く事にした。
別にイツキには構ってほしいわけじゃないけどね!
孤児院の子供達殆どが手術終わっちゃったから、手術室はあんまり使わないと言っていたし、神さまの机や椅子なら来るかなぁ?と、机の下に隠れてみる。
先生がきたら、下から脅かしてやろぉ!んで、頭撫でてもらぉ!
ワクワクしながら待っていると…部屋に入ってくる人影…椅子が引かれて…
今だっ!!!
「んにゃぁーーー!!!」
ガシッ!!!
「………にゃ?」
ボクは一瞬で首根っこを掴まれていた。
「……やれやれ、僕の匂いと先生の匂いの区別もつかないなんて、ダメ猫ですねー」
「……ぇ、は…?は………離せぇ!!!」
そこには、イツキがいた………。
イツキの匂いも嗅ぎ過ぎていたのか、すっかり騙されてしまった…!
「人違い!人違いだー!」
わたわたと暴れてみるが、何故か力が入らず、抵抗虚しく……
「………キラ、ごめんなさいは?」
「な、なんでボクが……!!!」
「脅かそうとしたんでしょ?悪い事したなら、謝らないと…ね?」
イツキが有無を言わせない笑顔でニッコリと微笑む…
顔が近い、怖い、うぅ………
「…ご、ごめんなさい…」
「よろしい、次はしないようにね。」
イツキがボクの首根っこを離すと同時に、ボクは一目散に距離を取った!
「…っふん!これくらい分かってたんだからね!次はやられないから!」
ンシャー!!!
「はいはい、次は分からないようにね」
イツキは呆れたように笑って手を振っていた。
うぐぅ………
ボクは泣いてない、こんな情けなくない!逃げてない!
窓から飛び出しながら、イツキへの復讐をここに誓った。




