確認と情報
【イツキサイド】
みんなの会話が温まったところで、本題を出す。
「…ところで、アイさん、アール君、クロウ君?今後はこちら側という事で問題ないんですよね?」
みんなの前で、確認を取る。
「そうじゃのぅ。シンキの目的がノアなのであれば、取り戻しに来るのも時間の問題じゃろうし。」
「…ノア、守る。」
「…ほぉ、アールも珍しくやる気出てるようじゃ。」
「暫く世話になるとするかの。」
「じゃあ、決まりですね。」
僕はニッコリと笑ってアイさんに握手を求めるが、代わりにクロウが羽根を伸ばしてきた。
「滅多な事ではアイに触らぬ方が良いだろう。」
「そ、そうなんですか?では………」
アイさんの噂は伊達ではないらしい。直接会うのは2回目でも、能力については師匠からしか聞いたことがなかったから、完全に油断していた。
アイさんは、冷ややかに僕とクロウの握手を見守っていた。
「…?シンキって誰だ?」
レイが尋ねる。
「恐らく、本体の名前かと…」
ノアは察しがいい。
「そうだよ、師匠の名前がシンキ。」
「…そして、ノア、お主の名前はシンキの親友の名前じゃ。」
「………アイちゃんは、知っていたんですね…」
先生が反応する、僕が知らない情報だ…。
師匠から話されてなかった『ノア』という名前について…。
先生とアイちゃんが知っているという事は、僕が師匠の側に来る前の事。
僕はその情報に耳を傾ける事にした。




