自分の過ち
【ノアサイド】
「……それで、なんで1人で行ったんだ?」
レイがさも不満そうに尋ねてくる。
「…………ごめん…」
「ごめんじゃ分からねぇ…俺が居なくても、アールとアイが助けてたかもしれないけど…1人で危険な場所に行くなんて…」
レイがあからさまに心配そうな、けれど、残念そうな顔で微笑んでいる。
それもそうだ、僕はイツキの忠告を聞かずに1人で先走ってしまったから…
……でも………
「レイを、巻き込みたくなかったんだ……僕が呼ばれてる以上、1人で何とか出来ないかなって…」
「巻き込むって…俺がノアを迷惑に思った事、一度でもあるか?ないだろ?」
「……そ、そうかもだけど…」
「でも…レイは僕を守るために、自分を犠牲にしたじゃないか………」
「うぐっ…ま、まぁ、確かに…?」
痛いところを突かれたという風に、レイはそっぽを向く。
「ノア、今回はわしらが居たから助かったようなものじゃ。レイが居ても居なくても助けはしたが、わしらが居なければお主は絶望的状況で囚われ、後悔しておったと思うのじゃが?」
「………そうですね…僕だけが危険な目に遭ってたかもですが…レイは…」
「…レイは、お主を見捨てて大人しく待っておれるのか?恐らくノアが捕まったとなれば、1人ででも助けに行ったであろうな…そうなれば、遅かれ早かれ危険は伴う。お主の身は、もう既に1人のものではないのじゃよ。」
僕はハッとした。
確かに、僕が捕まったとなれば、レイは動くだろう…1人ででも、助けに来てくれるかもしれない…それは、本体にとってレイの重要度次第で、危険度は更に増していたかもしれない。
「………ごめんなさい…」
僕は過ちを犯した事を、みんなに謝った。
「お主、良い子過ぎるのぅ…本当に奴とは大違いじゃ。」
アイちゃんが誰と比べているのかは、何となく分かるけれど…もしかして、見た目の割に年上だったりするのかな…?




