ノアの味方
【レイサイド】
俺は部屋を出てから、イツキの肩を掴んだ。
「……………ノアに、何を言ったんだ…」
「……場所を変えようか。」
やれやれといった感じで、イツキは診療所を出ていく。
イツキに着いていくと、手術室へと着いた。
ここは気分が悪いと言ったが、イツキは有無を言わせない笑顔でニコリと笑い入っていった。
俺は、従うしかなかった………。
中に神無月が待ち構えているかと思いきや、誰も居ず、少しばかり安堵する。
「………さて、君は何が知りたいのかな?」
イツキが椅子に座るよう促すが、怪しんだ俺は座らず質問をする。
「…ノアに何を言ったのか、どうして元気がない、お前が何か言ったんだろう?」
「…ノアの事ばっかりだね。…その質問に答える事は、君の記憶の事も知る事になるけれど…覚悟は出来てるの?ノアとの友情にヒビが入る事になるかもだよ。」
少し、躊躇う………。
俺の記憶が、本当なのか偽物なのかの真意は知りたいが…それによってノアとの関係が崩れたり、ノアを傷付けるのだけは、避けたい………。
だが、俺は………。
「……………聞かせてくれ。」
「……ま、遅かれ早かれ真実を知る事にはなったはずだからね。良い覚悟だと思う。」
「この話しは、ノアの他に、君にしか話さない事だからね。他の子には秘密にしてくれるよね、というか、秘密にせざるを得ないと思うよ。ノアを悲しませたくなければね…。」
イツキは念を込めて、執拗に警告する。
「……俺は、いつだって、何があったって、ノアの味方だ。」
「…良い返事を聞けて良かったよ。」
イツキはニコニコしていた笑顔を消して、話し始めた。