アイとアールとクロウ
【ノアサイド】
「………もう、用は済んだなら帰ってもらっていいかな…?私は眠いんだよ。」
本体は呆れて、回復したコピー達を連れて建物の中に帰っていく。
「………シンキや、まだ時期ではないからの。」
「…分かってますよ、聖女さま…」
軽く会話を交わした2人だったが、兼ねてからの知り合いのようだった。
「さて、わしらも帰るかの。」
「………僕達飛べない。運んで。」
「そうじゃな、そろそろ起きてもらわんとの。」
「てぃっ!!」
少女が手刀でレイの首の後ろを叩くと
「………はっ?!!!ノア!!?飛んだか?!!」
レイの意識が戻ってきた…
「…っレイ!なんであんな、無茶な事を……!」
僕がレイに飛びつく。
「………俺、失敗したのか…?あいつらは、何処に行ったんだ…?」
「失敗…じゃないかもしれないけど…もう、絶対、自分を犠牲にしようとしないでよ…!」
「…あぁ、悪かった…」
レイは頭を軽くかき、よく分からないが、ノアが無事であることに安堵していた。
「……お前らが、助けてくれたのか?」
「そうじゃ。感謝しぃ。わしらが来なければ2人共捕まってモルモットじゃったわい。」
「………僕達偉い。」
「あ、自己紹介がまだだったね、僕はノア、こっちはレイ…さっきは本当にありがとう!」
「わしはアイ、こっちは…」
「……アール、肩のやつはクロウ」
「我はクロウ、肩のやつではない。」
「目覚めて早々悪いのだが、君達の施設まで運んでくれないかの。」
「…飛べないから。」
「僕達の、でいいんですか?」
「………助けてもらったからな。」
「そうじゃ。神無月の様子も見たいからの。」
「先生ともお知り合いだったんですね、分かりました。」
「………宜しく。」
そうしてアイ、アール、クロウを連れて、僕達は廃病院を後にした。




