本体からのテレパシー
【ノアサイド】
レイやナナちゃんが、よく気にかけてくれているけれど…僕はずっと憂鬱だった。
師匠というコピーである僕の本体からテレパシーみたいなものが届いたからだ。
本体が言うには
「ルカ君とイツキの様子はどうだい?そろそろ報告をしてくれてもいいと思うんだけど。あと、もし居心地が良くなければこちらに帰って来る気はないかい?」
どうやら僕は、イツキと同じく、師匠のスパイみたいなものだったらしい…
「そんなの…僕がみんなを裏切るなんて、出来る訳ないじゃないか………」
テレパシーの使い方なんて分からないけれど、1人部屋でボソッと呟いた。
その後本体からのテレパシーはなかったけれど、イツキが僕にある場所に行く提案をしてきた。
1人では行かないようにと言ってきたけれど…じゃあ、だからってレイを連れて行けと言うのか…?
恐らく、本体と接触しろというのだろうけれど…
そんな場所にレイを連れて行く訳にはいかない。
僕は1人で向かう決心をした。
そしてあわよくば、本体を説得して戦争を止められれば…
そんな甘い考えで、レイに内緒で1人で抜け出してしまったんだ………。




