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束(つか)の間の平和
【先生サイド】
師匠は彼が前の師匠の思想になっていく事を悲しく思い、またわたしに記憶操作を指示を下す。
「…何故ですか?!彼が師匠の思想に寄り添う事は、師匠の最初の思惑通りじゃないですか?!」
「…ルカ君、わたしはもう、彼の考えに賛同したんだ。」
「………それじゃあ…わたし達は、なんの為に………」
「ルカ君、君にも、平和がやってくるんだよ、このまま平和に、暮らしていかないか?」
「………師匠…それが師匠の、お考えならば………」
わたしは彼の記憶をまた操作した。
そうしてわたしが平和に染まる頃、事件は起きた………。
人間達が、わたし達を排除しようと攻め入ってきたのだ。
人間達にとって特殊能力持ちの人種は脅威でしかなかった。
国家どころか世界が覆される…だからこそ、特殊能力持ちは迫害され、隠れて生活していくしかなかったのだ。
それでも人間側にも力を見極める装置があるらしく…いずれバレてしまう…。
わたし達の平和なんて、そう長くは持たなかった。




