お前のせいじゃない
【レイサイド】
手術室を出た後、ノアの所へ向かった。
何を話せばいいのかは分からないが、今ノアを1人にしてはダメだということは分かっていた。
「……ノア、気分はどうだ?」
「………レイ、聞いてきたのかい?」
ノアは切なそうに笑う。
そんな顔、するな………
「ノア、俺は……お前のせいだなんて思ってない!それどころか、お前は誤解している!」
「………誤解…?」
「ノアがどこまで聞いたのかは分からないが、俺達の特殊能力は潜在的なものだって聞いた、だから……!」
「…うん、だとしても、その覚醒を促してしまったのは、僕の存在だ…」
「………っ!お、俺は……神無月を憎んでる。今でも。でもそれは…俺がこういう姿になったからじゃない…!」
「………ヒナちゃんの事?」
「…そうだ、ヒナの目覚めさせ方については、許せる範囲じゃない。」
「…それについても………僕が…」
「………ノア、お前が全面的に関わったとでも言うのか?お前が改造したとか、ヒナを改造しろって言ったわけじゃないだろ?」
「それは………そうだけど………」
「じゃあ、ノアのせいじゃない!」
「………………でも…」
「でもじゃない!ノアは悪くない!俺は説明も説得もそんな得意じゃないんだ…ノアが凹んでるとか責任背負うとか、俺が辛くなるから辞めてくれ…」
俺は話してる間に顔が赤くなる、人を励ますとかは本当に苦手なんだ…。
だからってノアの事をイツキに任せるつもりは毛頭なかったけれど………
俺の必死な様子を見て、ノアは苦笑いする
「…レイ、ありがとう、どうにも僕は、考え過ぎなところもあるかもしれない。」
「………お前は、昔からそうだからな…!」
そこまで言って、昔っていつからだ…?と考えてしまった…
その考えを読み取ってか…ノアが訪ねてくる…
「…きっと僕達、幼馴染じゃないんだろうね…それでも君は、僕を僕として、見てくれる?」




