表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無双がフタリ  作者: 片喰
4/49

無双がフタリ④

とある少女は眠る前に日記を書く。

<華読の手記より一部抜粋 其の一>

 今日は日本国の神話についての本を読んだ。古事記と言う名。日本語の現代語は風世飲帝国の言葉に似ていて、現代語訳された古事記は比較的とっつきやすい。父上も、だから、わたしに教える最初の異界語に日本語をお選びになったのでしょうね。

 古事記でわたしが面白かったのは、天照大御神様が天の岩戸に隠れられたときの話。沢山の神様が人間の宴会みたいにお騒ぎになってるなんて、考えただけで笑ってしまう。天照大御神を出すためにそうしてらっしゃる、と言うのも嫌々行く会社の飲み会みたい。日本国のさらりーまんは、そういうことをしているらしいわ。

 面白いのでは全く無いけれど、印象深かったのは、国生みの話。伊邪那岐命様と伊邪那美命様が日本国の土地をお作りになる。だけど初めにお生みになった水蛭子様を、両親である二神はお捨てになる。お体が小さかったからと書くものも、骨が無くお歩きになれなかったからと書くものもあったが、水蛭子様のその後を書くものは無かった。

 そして、二番目にお生まれになった淡島様もまた、丈夫なお体ではなかったらしい。そのため、子の数には入れない、という記述がある。

 数には入らないが手元に置かれるのと、捨てられるのと、捨てるのと、その家庭で全てを見ながらも両親に認めらるのと、どれがましなのだろうか。

 兄上のことを思い出して、記録にならないので今日はもう寝る。

 安らかなる未来を、神々と我等に。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ