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無双がフタリ㉗
<華読の手記より一部抜粋 其の四>
キリスト教の旧約聖書にある、アダムとイブの話はあちらの世界では有名らしい。
神に造られたアダムとイブだが、食べることを禁じられていた果実を食べてしまう。蛇に唆されたのだという。ちなみに、その果実は聖書では特に記述が無いが、俗に林檎として描かれたりする。
罪を犯した彼等を、神様は追放される。アダムには働かなくてはならないという、イブには子を生む際苦しむという、罰を与えて。いつか必ず死ぬという罰も、このときだ。
唆した蛇の方は、腹這いで歩み塵を食べる呪われた存在となった。
この話を母上にすると、母上はお笑いになった。"罰なのに何故殺さないのだろうね。この世を見る限り、神とは往々にして厳しいものだが。"と。また、こうもおっしゃった。"まるで誰かが許してやるよう頼んだみたい…。"




