その他いろいろ
作中で出てきた複雑な設定について書いてあります。
随時更新しますが、ものに寄っては難解なものが含まれるであろうので、認知資源に余裕のない人は読まないことを推奨します。
読まなくても全然ストーリーは追えるので。
・現象次元と魔法次元について。
度々出てくるので説明を書いておきます。
【現象次元】
古典物理学が扱える次元。
古典物理学は原子、重子の二つを最小単位とし、魔法が影響しない(または魔法による影響を無視できる)現象を扱う。
原子は物質を構成する微粒子で、これ以上分解できないものを指す。
重子は重力を司る非物質で、本来重さの持たない原子と結びつくことに寄って重さをもたせる。
【魔法次元】
魔法数理学が扱う次元。
魔法数理学は原子、重子の他に魔子を最小単位とし、主に魔法が絡む現象を扱う。
魔法次元での現象は人間は直接観測できないという特徴がある。
【古典物理学、古典数学と魔法数理学の相反性】
古典物理学、古典数学と魔法数理学では互いに法則が矛盾することが知られている。
その中で最も重大なのがエネルギー保存について。
古典物理学では孤立系(外界とエネルギー乃至物質のやり取りをしない系)の中ではエネルギーは保存するとされている。
例えば金貨をエネルギーとしてみよう。
いま、手元に三枚の金貨がある。これらは使わない限りなくならない。
ここでこの金貨一枚で食料を買ったとする。金貨は二枚になってしまったが、その分の食料が手に入ったことになり、実質的に手元にある価値は金貨三枚あった頃と変化していない。
このようにエネルギーは変換されても孤立系においては保存される。
しかし、魔法物理学では孤立系であってもエネルギーは保存しない。
これも金貨を例に説明すると、同様に手元に金貨が三枚ある。これらは使わない限りなくならない。
ここで同様に金貨一枚で食料を買おうとするが、金貨を一枚渡した瞬間に二枚に増えてしまった。手元にはちゃんと金貨は二枚残っている。
そして金貨二枚分の食料を受け取る。
そうすると、金貨は二枚になったが、食料を金貨は二枚分受け取ったので手元にある実質的な価値は金貨四枚分とはじめの頃より増えている。
このように魔法次元ではエネルギーが変換されるときにエネルギーは保存しない。
このように現象次元では系を設定すれば基本的に保存則が適用されていくが、魔法次元では古典学で成り立っていた保存則に悉く反していく。
従って現在の学問では「現象次元」と「魔法次元」で分けて考察されていて、二つの次元を同時に扱える学問は存在しない。