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98.運命の出会い?


 レオが隣国の王女様を連れて戻って来て数日が経ちました。


 勿論皆さん無事で王宮での挨拶等も恙無く終わり、ヴィータとの顔合わせも済んだそうです。


 そして学園でも王女様は数日間学ばれるそうで、クラスは私達と同じ中等部2年のAクラス。ヴィータとも同じなのでリュドとロベルタの二人がしっかり付き、プラス騎士団長が護衛についています。



 「皆様、ご機嫌よう。トレファス王国から参りました。マリア・トレファスと申します。どうぞよろしくお願い致します」



 フワリと微笑み緩くカールした水色の髪と蜂蜜の様な瞳は甘え上手な気配がプンプンしてくる。



 可愛らしい人だな……。



 ──本来ならばチヤホヤされるに値するレベルなのにも関わらずクラスの皆は日頃からアディやヴィータ、リュドを見ていて、高等部にはテオ、レオ、クリス、ローラン、マティアスを長い間見て来ているので正直可愛いね、レベルで止まってしまう。



 どちらかと言えばお騒がせ令嬢のエリーズ・ルグランの方が可愛いとすら言える。


 そして更にこのクラスにはリリィがいる。

 リリィの容姿は類を見ない美少女なのでこの姿を見て共に歩んで来た学園の生徒達の反応は



 『隣国から来た王女様』


 

 ただそれだけだった。



 

 

 ◇◇◇





 「──それにしても戻って来てるはずのレオには相変わらず会えないのよね……」

  

 「そうなのよねぇ……」



 ───!!

 独り言の呟きに答えが返ってきて心臓が止まるかと思いました。



 振り返るとそこには……ピンク頭ピンクの瞳のお騒がせ令嬢エリーズ・ルグランがいました。



 「──あ、ごめんね? 驚かせちゃった!?」

 「──いえ、大丈夫です」



 気軽に話し掛けてきて、ニッコリ笑うエリーズさんは可愛らしかった。


 

 「あなたこの間、ホールの場所教えてくれてハンカチも貸してくれたじゃない? お礼を言いたくて!!」

 

 

 あぁ、入学式の日の事かな?



 「あ、大丈夫でしたか?」

 「うん。大丈夫だった。ありがとうね!! でね、今見かけたから急いで声かけちゃった!」


 

 ぺろッと舌を出して笑うエリーズさんはどう見ても貴族令嬢には見えない……ですね。



 「ふふ、そうなのですね」

 「うん! えーと、その制服は中等部……なのかな?」

 「はい、そうです」

 「わぁ! こんなに落ち着いてるのに年下かぁ……」


  

 ──!!


 落ち着いているなんてココで初めて言われた!! 大抵はお転婆、落ち着きがない、ある意味トラブルメーカー等々……

 

 あら、結構な言われ様だわ。



 「私、落ち着いてなんて無いですよ?」

 「そう? あ、私はエリー。エリーズ・ルグランよ。よろしくね」

 

 

 そう言ってエリーズさんは握手を求めて来た。この世界で女性同士が握手をするなんて事無いので驚きました。



 「あ……はい。私はリリアーヌ・べ」

 「リリアーヌさん! すっごい美人だよね〜!!」



 うぉぅっ!! 最後まで名乗らせて貰えなかった……。


 

 「あ……ありがとうございます……?」


 私、今、引きつった笑みになっていると思われます……



 「うん! すっごい!! こんな美少女見た事ないわ!!」


 

 握手した手をブンブン振られて興奮した様子を隠しもしない……



 「フフッ。エリーズさん面白い方ですね」

 「あ、ヤダごめんなさい。 私の事はエリーって呼んで!! リリアーヌさん!」

 「エリーさん?」

 「エリーで!」



 なんかこのやり取り昔リュドとやった記憶があるなぁ……。



 「ふふ、エリー。年上なのによろしいのですか?」

 「いいのよ! 仲良くなりたいんだもん!」

 


 やっぱり、なんか私と似てるかも……??



 「じゃあ、私もリリィって呼んでくださいますか?」

 「勿論!! リリィ、敬語もやめてくれていいよ!」



 気軽な感じの人だなぁ。前の世界の人を思い出すな……。


 

 「あ、リリィごめんね。声掛けるだけ掛けてさー、ハンカチは部屋にあるんだよね」

 「あ、別に返さなくても……」

 「ダメダメ!! 借りた物はきちんと返さなくちゃ!! 借りパクダメ! 絶対!!」



 借り……パク?



 「それにさ、友達だったら尚更だよ!」

 「え? 友達?」

 「あ! 勝手にごめんね! リリィ可愛いからさー、友達になりたい!」


 

 ストレートな人だなぁ……。

 裏表無さそう……ていうか本当にこの人がスパイ疑惑? 男の人達を恋愛対象として追いかけてる?


 人違いなんじゃないかな……?

 こんな素直な人が? できる訳ないじゃん?



 「──ダメだったかな?」

 「あ、大丈夫! 仲良くしてね?」

 「あー良かった!! 私さぁ……なんか浮いててさ! えへへ」

 


 あ、この純粋な感じとかで男の人を落とすって事なのかな? でも、わざとって感じも無いんだよな……。

 

 

 「リリィが仲良くしてくれたら嬉しい!! よろしくね!!」

 「こちらこそよろしくね、エリー」



 私も素直に仲良くしてみよう。 

 おかしな事があったらすぐに皆に相談したらいいよね?



 「あ! リリィって中等部だよね? だったら……あの……ロベルタって……」

 「──? ロベルタがどうかした?」

 「あ!! 何でもないの!! えへへっ!!」

 「──?」

 「あ、私寮に忘れ物したから戻って来てたんだった!」

 「そうなんだ?」

 「うん! じゃあまたねっ!! リリィ」

 「うん、またね……」



 すごいお騒がせなタイプの人だなぁ……。


 でも、やっぱり嫌いじゃないんだよね。




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[一言] 立ち位置奪った感のあるリリィと本来ならヒロインなエリーズが仲良くなった、だと しかもエリーズは気付いてない なにこのカオス、先が楽しみ過ぎる
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