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94.ファーストX Xは酔っ払い?


 グニャリと視界が歪んで、あ、ヤバい? と思った瞬間にレオの腕の中に抱き留められていました。


 

 「───レオ?」

 「───うん」


 バクバクとレオの心臓の音が聞こえます。


 

 「ごめんなさい。ありがとう……」

 「───うん」

 「──レオ?」

 「今回は……流石に心臓止まるかと……」


 

 ギュッとレオにしがみ付くと、レオも強く抱きしめてきた。


 

 「はぁ……良かった……多分精霊達もいるし…大丈夫なんだろうけど……」

 「うん」

 「オレの目の前からいきなり居なくなるのは……やめて」

 「うん、ごめんね。不注意だったわ」

 

 

 二人でギュッと抱き合っていると、フワリとレオの肩にシエルが乗った。


 

 『リリィ、レオ大丈夫?』

 「───大丈夫」

 『やっぱり……なんとかするわ』


 

 レイ様が意を決した顔をしています。


 

 『リリィ達が次に来る時にはもう少し過ごしやすいようにするから楽しみにしててね』

 「うん、楽しみにしてる!」

 『じゃあ、今日はごめんねいきなり連れてきて。また……』


 

 そういうとスッと闇に溶けるように消えました。



 「ええと、どうやって帰るのかな? レオ分かる?」

 「うーん、多分シエルが誘導してくれるとは思うけど。シエル?」

 『うん。後ろ付いて来てくれたら大丈夫』



 抱き合ったままだった事に気付いて、腕を緩めて離れようとしたけどレオの腕が緩む事は無く……


 

 「レオ? 行こう?」

 「ん? うん」

 「レーオ?」

 「あー離れたくない。腕の中に閉じ込めておきたい……」

 「レオ……?」

 「リリィ……リリィからキスして」

 「───!? レオどうしたの?」

 「ダメ?」

 「ダメとか……ない……けど…… 」


  

 どうしちゃったの? なんかいつものレオとは何か違う気がするんだけど……。

 でも、この腕の暖かさはレオだよね?



 『リリィ……レオさ多分だけど少しだけ闇の力に酔っちゃってるかも……?」


 

 え? 闇の力に酔う? って何?


 

 『この場所って闇の力が充満した場所なんだよね。で闇属性だけのモノなら問題ないんだけど、レオって光も持ってるじゃない?だから闇が濃いこの場所だとなんで言うのか許容量を超えるのかな?チョットだけ長く居過ぎたんだと思う』



 そうなんだ……でも私は? 平気だけど?

 お酒飲んで酔っ払ったみたいな感じになってるって事?



 『そう思ってくれていいよ、ここを出ればすぐに戻ると思う』


 

 ……精霊同士は? それでも他属性だと酔う? のかな?



 『ヒトよりかは長い時間居られるけど長時間は無理かな……』



 じゃあ、私レイ様に簡単に言っちゃってたけど……大変な事言っちゃったんじゃ……?



 『大丈夫。レイテア様も何とかしたいって言っていたし、考えるチャンスになったからね』


 

 そっか、良かった……って言ってもレオ……は?



 「リリィー?」

 

 ん? って蕩けそうな瞳で見つめてこないで〜!!



 「してくれないの?」

 「えーと、レオはして欲しいの?」

 「うん、リリィからして貰った事無いし……」



 恥ずかしいですが……女は度胸よ!!



 「えーと、レオ? 目を瞑ってくれる?」

 「ん? はい」

 

 

 蕩けそうな瞳は閉じられたけど、人形のような綺麗な顔が……

 え? どこにするの? ……頬? おでこ?


 頬でいいか……



 ヨシ、勢いで行きます!!



 チュッ



 ────!?

 

 え? え? なんで? 唇……?

 

 バッと顔を離してレオの胸を押すけどグイッと頭を抑えられて今度はレオからキスしてきた……2回目のキスを唇に……。



 「───!!」


 

 唇を離されて見つめられ、レオはふわりと笑った。


 「リリィ、愛してるよ……」

 「───!! シ、シエル!!」

 『ん? 何〜? 答えてあげなよ〜』


 

 ニヤニヤしないの!!



 「リリィは?オレの事どう思ってる?」

 「──ど、どうって……そりゃ……」

 「うん?」

 「えっと……」

 

 

 ど、どうしたらいいの!?


 

 『なー、まだ帰らねえの?』

 「──ってセル!? なんでここに??」

 『え? オレ今闇属性よ?』

 「あ、そっか」

 『いちゃついてんのはいいけど、そろそろレオがヤベーかもよ?』

 「いちゃ……ヤバイって何?」

 『闇酔いしてるんだろ?あんまり長時間いると闇落ちするぜ?』

 「……闇落ちって何?」

 『下手したら明るい所に出て来れなくなるって事だ』

 「──それは困る!!」

 『だから戻らねえの? って聞いてんの』

 「戻ります!!」

 

 「えー? リリィ答えてくれないの?」

 「レオ! 今はそれどころじゃないみたいよ!セル帰ろう!!」

 『んじゃ、飛ぶわ。掴まれ』


 「うん! レイ様、勝手な事ばかり言ってごめんなさい! また来るねっ!!」




 グニャリと視界が歪んで戻って来たのは精霊の湖でした。


 

 「戻った……? 良かった……」

 「リリィ……答えてくれなかった……」

 「──っ! レ、レオ?」

 「ふふ、冗談だよ。ごめんねリリィ迷惑かけちゃった」

 「あ、だ、大丈夫よ。レオがあんな風になるなんて……」


 

 思い出したら恥ずかしくなって来た──!!

 だって、私達……唇……


 ───っっ



 「キスは嬉しかったけどね」

 「レオ!!」

 「ハハッ。向こうに戻ろうか?」

 「───うん」



 『戻って来てすぐに素面に戻るのもスゴイけどな。大抵は頭痛とか身動き取れなくなったりするんだけど……アイツやるなぁ……』




 




 

 



 

 



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