92.精霊の森でハプニング発生?
今日は学園全体で精霊の森に遊びに行く日です。全学年なので中高全てです。
参加に関しては自由。
日頃のストレス解消という訳なのかな?一日自由に過ごしでいいんだって。
行くのも自由で馬車の場合は学園が用意した物に限るんだけど、それ以外は自分達で行っていいそうです。
馬でも契約獣でも魔法でも。
私達はどうやって行く?という話し合いの結果、転移魔法が使えるメンバーが連れて行く、という事に決まりました。
テオはアディ、ローラン様はイザベル様、マティ様はメル、リュドがレティ。お兄様は単独で。
そして私は……レオに。
ていうかね、リュドいつの間に転移魔法が使えるようになったの??
……ズルイ。
私はまだ人の所にしか飛べないというのに。
まあ仕方ないか……。
そして、今、出発の為に集合している所です。
乗り合いで行く馬車は数台あってそろそろ出発のようです。
ん?ピンク頭のエリーズさんは学園の乗合馬車で行くんですね。あの頭の色はなかなかに目立つので目に入りました。
馬車の出発と同時くらいにレオ達が男子寮から門の方に向かって歩いてくるのが見えました。
その瞬間に馬車の窓に張り付いて何かを叫んでいるエリーズさんの表情は鬼気迫るモノがありました。
こ、怖い……。
レオ達は私達の所へ来るとすぐに出発しようと、それぞれのパートナーの手を取り飛びました。
飛ぶ瞬間に馬車が止まり、扉が開いてエリーズさんが降りてくるのが目の端に見えました。
忘れ物かな?
◇◇◇
魔法って本当にすごいな……としみじみ思う瞬間ってこういう時です。
【どこでも何某】憧れたよね……。
あれのように瞬間で場所移動ができるなんて、当時だったら考えられないわ。
到着したのは精霊の森。
ココはロウと出会った場所なんだよね。
懐かしいなぁ……。
……でもなんか色々始まったのがココからだよなぁと思ったらちょっとだけ、溜息が出ちゃうよね……。
「リリィ?どうした?溜息ついて何かあった?」
「あ、違うのよ。ココでロウと会ったんだよなぁと思ったらちょっとね……」
「あはは、そうだったね。リリィ精霊達に連れ去られたんだったよね」
「そうなのよね、私平気で行って帰って来たけど……すごい事よね……」
「リリィだからね」
「……どういう意味よ?」
「リリィが可愛いって事だよ」
───!!
レオはっ!!変わらないけど変わったわ!!
昔から直接的な表現してくれる人だけど、あの時(白ネコ事件)から更に甘くなった。
もう!平常心を保つので必死よ!!
たまに……レオの笑顔にキュンキュンしちゃうし……さ。
「か、可愛いは関係ないと……」
「え!?あるでしょ?可愛いから連れて行きたいんだよ。閉じ込めたいし……」
トロリと甘い瞳で微笑まれると……
「──って。閉じ込めるって何よ!?」
「あはは!本音だけどね。……あ、あそこに集合なのかな?行こうか」
───っっ!!
そんな事を軽い口調で言った本人は涼しい顔で腰に手を回して歩くのを促してくるし!!
はぁ……でも、まあいいや。
腰に回ってるレオの腕は暖かくて嫌じゃないし。
なんか守られてる感じがしていいよね。
集合すると責任者の先生から簡単な説明がありました。
参加者は精霊の森周辺で遊ぶ?のはOK。
禁止区域へは行かない事。
昼は各々で。
帰りも適当に。
えーと……あ、今日は学園が貸し切ってるから他の人は来ないけどやる事は特に無いから自由にしてね、ただし問題は起こすなよ!って事ね。
「──皆どうする?」
「オレとアディはこんなにゆっくりする時間ないから花畑ら辺でのんびりするよ」
「そうだな、皆で居るのもいいし……ベルどうする?」
「マティが決めていいわよ?」
「じゃあ、暫くのんびり2人で話そうか」
「メル、僕たちもそうしますか?」
「そうね、そうしようか。レティ達はどうする?」
「リュド、この間の続き教えてくれる?」
「あ、はい。いいですよ。そうしましょうか」
「僕はちょっと行く所があるから、別行動だね」
……お兄様は確実にヘルの所でしょ。
嫌がられない程度にしないとダメだよ?
「レオ達はどうする?」
「リリィどうしたい?」
そう言われてもね、皆2人きりで暫くお喋りとかゆっくりしたいって事だよね?
「じゃあ適当に散歩でもする?それで昼はまた皆で集合して食べようよ」
「OK。じゃあ昼にテオ達の所に戻って来よう」
そう言ってそれぞれの思う所へと移動をしました。
「リュドはレティに何を教えてるのかな?」
「ん?ああ、今は歴史だったかな?」
「へぇ!勉強熱心なんだねぇ」
「まあ……それも口実の一つと言うかね…」
「口実……?」
「ふふ、行こうか。どの辺り散歩する?」
「うーん、湖の方にでも行く?」
「たまにはのんびり歩くのもいいよね」
そう言って今度は手を繋いで歩き始めます。
……手を繋ぐ方が……なんか照れるね……。
森の中に入ろうとする頃に学園からの馬車が到着したようです。
馬車から降りてくる人達の中にエリーズさんのピンク頭は見えませんでした。
どうしたんだろう……?
あ、具合悪かったのかな?
だからあんな顔で急に降りようとしてたのか!
大丈夫かな?ちょっと心配。
───森に入って湖の方へとのんびりレオと散歩しながら景色を……ん?
「──レオ先に謝っておくわ」
「ふふ、コレはまた精霊の悪戯なのかな?」
目の前が光り輝いて、行く道を照らしています。
「このまま行くと……多分だけど世界樹の湖か精霊の花畑かドリアードの森な気がするのよね。レオ大丈夫?」
「精霊達が連れて行ってくれるならオレが行っても大丈夫って事だよね?」
「大丈夫だと思うよ?ただ、遊びが始まると結構キツイかも……だけど」
「ハハッ。精霊の遊びはハードなんだね」
レオのその動じなさはどこから来るの?
そして……今回はどこに連れて行かれるのかしら?
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