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87.ロシアンポーション作りで大絶叫?


 ただ今師匠の所でロシアンポーションを作成中でございます。


 

 「師匠は何味だったら嫌ですか?」

 「そうねぇ……生臭いのは嫌かもね……」


 

 生臭い……生臭い……魚の腐った感じ?

 ヨシ、生魚を思い浮かべて……


 

 ポワン



 「出来ました!──って、ゔぇ!くさっ」

 「ちょっ!早く移して……くっさ……蓋!!」

 

 急いで瓶に移して蓋をギュッと閉めます。

 

 「はぁはぁ……く、臭かった……」

 「リリィ…アンタ……何てモノ作るのよ……正気の沙汰じゃないわ……」


 

 あはは……と愛想笑いで誤魔化して……。

 うーん、悶絶系のモノはコレとあとはワサビ辛いやつにしよう。



 ポワン



 「師匠、これ舐めてみて下さい」

 「アンタ……人を実験台にするつもり……?」

 「えー?違いますよ?私は慣れ親しんだ感じなので、初めての人にはコレはどうかな?って思って」

 「……ふぅん?どれ……」


 

 師匠がペロリとワサビポーションを舐めた。


 

 「───!!!!!!」


 

 フワリと髪が逆立って師匠の姿が消えました。

 するとキッチンの方からドンガラガッシャーン!と物が引っくり返る音が鳴り響いて



 「──リリィッ!!!!」


 がなり声が聞こえてきます。

 えへ、大分いい感じの反応でした!


 「師匠〜キッチンにイチゴミルク味のがあるのでお口直ししてくださーい!」



 よし、あとは酸っぱい系があれば問題ないね!



 ポワン



 「キタキタ!!匂いが超スッパ系!!」



 お酢味のポーション完成。



 「ししょー!!これも試飲お願いしたいんですけど〜?」


 すると、バンッという音がして師匠の気配が消えました。


 

 「──逃げましたね……。じゃあ、ロウーセルーネスルーラスクーいないのーー?」


 

 いつもなら呼べばすぐ来てくれるのに、今日ばかりは出てきてくれません。



 「オーベーローン!!」


 

 オベロンも来てくれない……。

 うーん、仕方ないか〜。



 とりあえず美味しい方も作って……と


 ……味だけだとつまらないかなぁ。


 あ、イタズラ系のポーションって作れるかな?

 例えば……何か生えてくる?

 あ、ネコ耳とか?尻尾?ネコ耳&尻尾だと男性陣は嫌がりそう!!


 ヨシ、ちょっと試してみようかな。


 味は…まあ美味しい感じにして、ネコ耳&尻尾、ネコ耳&尻尾、ネコ耳&尻尾……



 ポッポワンッ



 「……できた?」


 とりあえず名付けて【変身ポーション】!!

 誰か試し……誰も居ないんだよなぁ……。


 ヨシ、自分の作ったモノは自分で責任を取ろう。

 

 匂いを嗅いでみると、結構いい匂い。

 ミックスジュースみたいな感じかな?

 ……飲んでみます。

 女は度胸よ!!!!


 ゴクゴクゴク……


 あ、マジでミックスジュースだわ。美味しい!

 アレ?アレレ?何か視界が急に低くなってきた……?ん?んん??


 

 ───え?


 ちょっと待って、ちょっと待って!!


 何で?制服がこんなアレ?手が……足が……



 なんで


 ───私


 ──────なんで手が……白い…毛だらけ?


 ───っとりあえず、鏡、鏡、鏡を持て───い!!



 ──え?

 アレ?アレレ??


 何で白猫がこんな所に?


 ───って私!?


 手を上げて……足を上げて……くるりと一周して……


 あー、はいはい。

 そういう事ね。

 ネコ耳&尻尾って念じすぎた……かな?

 

 うん。でもこんな経験できないし、ちょっと楽しいかも??

 いつ戻るのか……わからないのは不安だけど……ココでじっとしてても仕方ないし……。


 

 ヨシ、お出掛けしましょう!!


 

 まずゲートで一度学園に戻って、最悪部屋に閉じこもっておいて師匠に何とかしてもらおう。


 

 

 

 ◇◇◇




 

 部屋に戻って来たはいいけど、どうやって外出るのよ?扉は……こんなネコの姿じゃ開かないでしょ?


 

 うーん、やっぱり師匠の所に戻る?でもあの森をこの姿でうろつくのは何となくだけど危険な気がするんだよなぁ……。



 ──コンコン、ガチャッ



 え?扉開いた!?なんで?

 

 

 「リリィ様?は鉄の森の魔女様の所ですか?」


 

 あ、ニナか。

 お願いしてたお菓子持って来てくれたんだ。



 「お会いできないか〜。残念……手紙だけ置いて行こう」



 後ろ手に扉を閉めようとする所にスルリと入り込んで脱出成功!!



 なるべく気配を消して……そっと寮内から外に出ます。


 隠れたりジッとしたりしながらやっと外に出れました!!



 さて、今からどうしようかな?

 ネコにしかできない事とかって何だろう。

 


 とりあえず……木に登ろう。


 ダダダッと勢いをつけて登る。

 あー、木登り久しぶりぃ!!

 お母様に禁止されてたんだもんね!!

 

 ヒャッハー!!

 ヤバイ楽しい!!

 木の枝の間にちょうど座れるくらいのスペースもある。

 

 ヨシ、必殺!香箱座り!!


 はわ〜なんか気持ちいい〜


 陽射しもいい感じで暖かいし……

 ポカポカ……


 

  …………



  バンッ!!


  ───!!


 いきなり木が揺れて驚いた!!

 ちょっとばかりウトウトしていたから余計に……心臓がバクバク……。



 下を見ると見た事のあるピンク頭の人がコッチに手を伸ばしていた。



 「ネコちゃーん!大丈夫?降りれなくなっちゃった?」


 

 そこにいたのは今学園内の噂の的のエリーズ・ルグラン男爵令嬢その人だった。



 「ネコちゃーん!ネコちゃーん!」



 えぇ……?別に降りれなくてココに居るわけじゃないんだけど……。

 しかもさっきのバンッていう衝撃で驚いて逆に動けなくなったんですけど……。



 「チッチッチッ、ネコちゃーん?大丈夫ー?今助けに行くよ!!」



 え!?ちょ、このひと登るつもり?

 曲がりなりにも男爵令嬢!!ダメでしょ!!


 降ります降りますよ!!


 スクッと立ち上がって木に沿って垂直にダダッと降りた。


 

 「あれ?降りれたんだ!良かった!降りれなくなっちゃったやつかと思ったよー!!」


 

 ん?良かれと思ってやってくれたのかな?


 

 「よくさーやってたんだよねネコが降りれなくてハシゴ車到着!!みたいなの」


 

 ん?んん??

 


 

 「良かったねーどこからきたのかにゃー?」


 

 抱き上げようと手を伸ばしてくるが流石にそれはちょっと……と少し離れた。


 

 「ありゃ?大丈夫なのかにゃ?白くてふわふわのネコちゃん」


 

 だ、大丈夫です……

 エリーズさんは意外といい人なんじゃないかなぁ……。

 今度ちゃんと話してみたい気もする。なんか前も思ったけどなんとなく親近感も湧くんだよね……。

 元々町で育ったからなのか貴族令嬢っぽさが無いから余計にそう思うのかもしれないけど……。


 うん、今度見かけたら声かけてみよう。

 でもそのワキワキした手はいやなので……



 「ニャー(サヨナラ)!」



 タッとエリーズさんの元から走り去ると、少し残念そうな顔をしたエリーズさんが見えて、ちょっとかわいそうな気分になりました……。



 

 でもね、ああいう手の動きをする人は力任せに撫でるんだよね……顎の下が気持ちええんやろ!ってムリクリ撫でたりするんだよ。

 


 それに今はネコの姿だけど人間だし。


 


 タタタッと走ってさっきの場所からは大分離れたので、ルンルンと軽快に学園の方へ歩いていると後ろからガシッと身体を掴まれて持ち上げられた!!


 

 ちょ、今度は誰よ!!

 やめて〜!!下ろして〜!!!


 



読んで頂きありがとうございます!

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