86.お守りパワー?
「この間ルグラン男爵令嬢の注意勧告の時に先生方に同席させてもらったんだ。その時の様子を見て彼女はなんて言うのか……変わった人だという事が分かったよ」
テオがいつものメンバーとのサロンでのお茶会で話始めました。
「変わってるってどういう風にですか?お兄様」
ヴィータがテオに真剣に問いかけています。
「そうだな……普通の令嬢と違う。なんと言うのか貴族らしくなく、平民のそれとも少し違う。注意を受けてもヘラヘラとしている。……アディが……いいか?」
「──はい」
「アディが他のご令嬢達が噂していた話を聞いたらしいんだ、彼女は我々と……そのなんと言うか……仲良くなりたいらしい」
「??仲良くってどう言う意味?友人としてって事?」
よく分からなくなってしまったので分かるように説明して欲しくて言葉尻を被せるように聞いてしまった。
「アディが聞いた話によると……恋愛対象として……らしいんだ」
れ、恋愛対象として?
え?皆と?って事?
「あ、そういえば僕イザベルと図書館にいた時に見かけたよ?そう思うとそれまではなんかチラチラピンク頭の方が見えていたような気もするけど、それ以降は見なくなったな……」
「私もちょくちょくピンク頭の方を見かけてはいましたが、最後に魔法訓練スペースでメルの頬にキスをした瞬間を見られてからは見なくなりましたね」
マティ様!結構大胆なのね!!
メルが恥ずかしがって顔が真っ赤になっちゃってるじゃない。
「そう言われると、その注意された日以降は私もあまり見なくなったな。ただ、校内を彷徨いているという目撃情報は多数寄せられているが……」
「オレは……この間リリィと歩いていた時に見かけたくらいで、全く見ないな……」
なんとなく皆さんニアミス?みたいな感じで見かけてはいたのね。
だけど直接的には関わってないって事ね。
「あぁ、そういう事か……」
「何?レオ?」
「ん?コレだよコレ」
レオが指差したのは腕に巻かれた私が皆にプレゼントしたミサンガ、それとリング。
「──それがどうしたの?」
「このブレスレットもリングも凄い加護が付いているじゃないか?リリィは何でもない事のように言っていたけどブレスレットは精霊王の加護とロウ様達聖獣の毛や鱗、羽が使われているだろ?」
「──うん?」
「加護無しだとしてもトラブル回避や魔法の無効化は出来ると思う。だけどそこに精霊王の加護ときたら向かう所敵無しでしょ?」
「そう?」
「そうなの。だから例えばだよ?相手が魅了とかそういった類の魔法を使って来たとしてもコレで勝手に無効化するから効かないって事。それ以前にそういう相手を遠ざける効果もあると思う」
なるほどね、だから皆見かけるけど鉢合わせないって事か。
「確かに、そう言われるとそうだよね。凄い加護に守られてるからヘタな事には巻き込まれない」
「色々な事が上手く行ってますね」
「あれ?じゃあスパイ疑惑は晴れたって事?」
「それは、まだ……なんとも言えないから継続して警戒はしているよ」
エリーズさんが狙っていたのは男の人?って事よね?しかも多数の……ってビッチってやつ?
ヤダ、そんな風には見えなかったのに。
可愛らしい人に見えたのになぁ……そんなギラギラ肉食系には見えなかった。
何かそうしなくちゃいけない理由でもあるのかな……?
でも、そうしなくちゃいけないって何?って感じだよね。
誰かにやらされてる?それこそ……スパイ?
でも何の為に?誰得なの?男の人達と……。
でも、テオとローラン様とマティ様からは変な言い方だけど手を引いた?って事なのかな?
この3人って所謂高位貴族ってやつだよね、て事はそういう人ってあとレオとヴィータとお兄様とリュド?
「お兄様はそのルグラン男爵令嬢とは会った事あるの?」
「全くないなぁ。実は見かけた事も無いんだよね」
「それはそれですごいね……」
「リリィ、最近クリスは時間ができたらすぐにヘル様の所に入り浸っているんだよ……」
「え?レオそれってどういう事?」
「休み時間の度にヘル様の所に転移魔法で飛んで授業が始まる時間に戻ってきてる。で放課後はテオ達と公務だったり学園の事だったりがある時はちゃんといるけど、それが無い日はすぐに飛んでいるね」
「え?ヘルの所?」
「ほとんどそっちにいるかもね」
「お兄様!!ズルイ!!私、最近会ってないのに!!」
「リリィが行けない分も僕が行ってるから大丈夫だよ」
「そうじゃないじゃん!!ズルイ!!」
「あはは!」
「まあ、そういう事でクリスも回避してるって事だね」
納得できないけど……あ、私もヘルに通信してから転移魔法で飛べばいいのか!!
今度行こう!!今度は、お土産どうしようかな〜。ポーションコーラとかお遊びで作ったポーション味噌汁とかかな〜?ロシアンポーションやったら面白そうだな……ってお茶会とかで皆でやったら盛り上がりそうじゃない?
ポーションだったら体に悪いって事はないだろうし!
そうと決まったら皆に聞いてみようかな?
あ、それよりも転移魔法で飛ぶ時って外出許可とかは?お兄様はその都度出してるのかしら……?
「リリィは何か頭の中で一人で考えてますね?」
「まあいつもの事だよね?」
「リリィは常にリリィだから安心しますわね」
「──ねえ!ロシアンポーションって楽しそうだと思わない?」
「──ロシアン……?ポーション?」
皆が口を揃えて首を傾げた。
「そう、ロシアンポーション!!どんな味なのか分からなくて、マズ───ッイのがあってそれを飲んだ人が罰ゲーム!楽しそうじゃない??」
皆のポカン顔がちょっと可愛かったです。
読んで頂きありがとうございます!
☆評価、ブクマしていただけるとありがたいです!!
宜しくお願いします。
下記ランキングバナーもポチッと押していただけるとありがたいです!!↓↓↓




