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80.試練って何ですか?


 私が作ったミサンガを皆さん手に取り腕に着けてくれました。

 

 なんとなく恐る恐るだったのは気のせいでしょうか?

 ……ま、気のせいだよね!って事で。


 高等部に入学した皆だけじゃなくて、アディ、ヴィータ、リュドの分ももちろんあります。


 お屋敷の皆の分はまた追々、時間見つけて作っていきたいと思っています。


 皆でのんびりお茶をしているとテオが今夜のお誘いをしてきました。



 「今夜、皆を王宮に招待したいのだけどいいかな? 父と母が久しぶりに皆に会いたがっていて、晩餐をどうか、と言われているんだ」


 

 王宮でご飯か……最高のシェフ達が作る食事は素晴らしいのよね!!

 ただ、うーん、緊張しちゃうと思います……。


 

 「服装は制服でいいし、家族だけだから緊張しないで来て欲しいって言っていたんだけど……シェフも新作出すと言っていたけどどうかな?」


 「是非参加させてもらうわ!!」


 「フフ……リリィは本当に可愛いな。オレも勿論参加させてもらうよ。皆も行くよね?」


 

 私のシェフの新作への熱い気持ちをレオに笑われてしまったけど、それで皆の緊張も解けて全員参加を決めました。

 アディがすごくホッとした顔をしていたのが気になったけど、楽しそうに笑っていたので大丈夫かな?



 

 片付けをセバスとニナがやってくれて、この後皆で王宮に向かいます。


 ちなみに……移動は馬車かな? と思ってたら魔法具で王宮への転移ゲートを開くんだって!


 

 「この人数が馬車で移動も大変だからね」だそうです。


 テオとヴィータはこの王宮への転移ゲートをリングにして持っているそうです。

 一度に入れるのは5人。


 まず、テオがアディ、お兄様、ローラン様、イザベル様を連れて行きます。

 

 ヴィータもマティ様、メル、レティ、リュドを連れて行きます。


 あれ? 私とレオは?



 「リリィはオレが転移魔法で連れて行くよ。テオ、転移魔法の許可は出しといてくれよ?」

 「勿論。だけど、オレ達がゲート使ってから5分後に来てくれ」

 「了解。よろしくな」

 「──え!? レオ!! 転移魔法使えるの!?」

 「ん? 使えるよ?」

 「いつ? いつから!?」

 「え? えーと、中等部に入ってからかな? 1人連れて行けるようになったのは最近だけどね」

 「──っ羨ましい!! 師匠が転移魔法使えないと魔女には絶対になれない! って言うの! 練習してるけど全然コツが掴めなくて…… 」


 

 あの難しい転移魔法!!

 身近で使えるのはお父様とお兄様くらいしか知らなかったけどレオも使えるんだ……。

 尤もお兄様はヘルの所に行く為だけに会得したって言ってたけどね……。


 

 「セバスもニナ連れて転移しておいで」

 「畏まりました」

 「───え?セバスも使えるの!?」

 「はい」

 「し、知らなかった…… 」

 「聞かれませんでしたので」

 「セバス…… 侮れないわ」

 「フフ、リリィ様程ではございませんよ?」



 セバスって本当に不思議な人よね。

 気配はないし神出鬼没だし、だけど鬼のように強いらしいし、怖いらしい……。

 属性は分からないし、契約獣も不明、だけど転移魔法が使えるくらい魔法も使える。


 前国王の従者だったって言うけど……何故かベルナー家(ウチ)で執事なんてやってる……

 本当はすごい優秀な人って事だよね?



 「じゃあ、そろそろ移動しようか? ヴィータもいい?」

 「はい、お兄様。いつでも大丈夫です」


 

 2人はリングに呪文を唱えると転移ゲートが ヴァンッと開いた。



 「じゃあレオ、リリィ後でね」

 「ああ。5分後くらいだね」

 


 皆でゲートを通り抜けヴンッとゲートが消えた。



 「リリィ、5分だけだけどゆっくり話せるね」

 「レオ── いつの間に転移魔法…… 」

 「ん? そうだね、オレの家って辺境だろう?」

 「そうね。魔族の国との国境の所よね…… 」


 

 レオの家は辺境伯。中でも一番危険と言われている場所の守護を担っている家なのよね。

 

 「何か起きたら一番に駆けつけて行かないと行けない。だからガルシア家の人間は転移魔法を使える事が必須でもあるんだ。どうしても無理な場合は魔法具の転移ゲートを使うけどゲートだと決められた一箇所だけにしか飛べないだろ?」


 

 そうなのよね、今ある魔法具の転移ゲートは初めに指定した一箇所にしか飛べないのよね。

 戻るのも飛んだ場所にしか戻れないし。

 今回みたいにココって決まっていれば便利なアイテムだけど、飛びたい所が指定されていない場所の時は不便なのよね……。


 

 「転移魔法さえ使えたら危機にもすぐに対応できるし、万が一リリィになにかあってもすぐに駆けつけれるでしょ?」

 

 「え? 私?」

 「そう。まあ聖獣様やオベロン様がいるから心配は無いけどね…… 」

 「……確かにね」

 「でも、すぐに駆け付けれるようしておけば心配事は減るしね。転移魔法の取得はミシェル様の試練の一つだからね」

 「え? 何よ試練って…… 」

 「ん?あ、5分経ったね。セバス行こうか」

 「はい、畏まりました。ニナ手を」

 「ちょっと、レオ!」

 「リリィも手を」

 「レオ!」

 「うん?じゃ行くよ」


 

 レオが呪文を唱えると景色がグワンと歪んで、気付いたら王宮のゲート場に着いていた。

 王宮内に転移するとこの部屋に来るようになっているんだって。

 そりゃあそうだよね、何処にでも飛べたら王の部屋とかいきなり入れちゃったりする可能性が出ちゃうもんね。


 

 テオ達は既に王宮内の客間にいるらしく、メイドさんが迎えに来ていました。

 

 

 「レオ、さっきのはどう言う事なの?試練って何よ」

 「……リリィに相応しい男になる為の試練」

 「──相応しいとか……そんなの……そんな事で決めるモノじゃないと思うわ……」

 「確かにそうだよね。でも、コレは男としての意地というか……」


 「お話し中失礼いたします。こちらのお部屋で皆様お待ちです」


 

 ガチャリと扉を開いてメイドさんが頭を下げて部屋に促したので、話を切り上げたけど……。


 どういう事なんだろう。 

 そもそも試練って?お父様もレオも……本気?


 

 「リリィ?行こう?」

 「あ、うん」


 

 セバスはちょっとだけ苦い顔をしていて、ニナはニヤニヤしていたのがやけに目に入った。



 でも王宮での晩餐会は和やかに進んで、シェフの新作も非常に美味しかったです!!


 

 


 

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