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66.ポーション作ってみてもいいですか?


 『自分の中の魔力を掌全体に集めるの。その時に使いたい分の魔力だけを取り出すのよ…』


 

 今、アン様に習ってポーション作りに入る前に魔力コントロールを習っています。

 学園でも何度も習ったのですが、どうにもピンと来なくていつも全開でやってしまっていました。


 ロウ達のお陰で大事になっていないだけで、下手したら危険だったかもしれないと、気付かされました。


 

 『そうねぇ…感覚的には……ホールケーキ一つ分がこの小瓶のポーション一つ分くらいかしら?』


 「ーー!成る程!!」


 『とりあえず小瓶のポーションには薬草は一掴み、綺麗な水で浸して…火にかけそして魔力を込める』



 フワッと魔力が込められたのだろう少し光ってトロリとした液体ができた。

 ちょうど小瓶一本分だった。



 『とりあえず完成』


 「スゴイ!早い!ていうか誰でも作れるんですか?」


 『まあ、向き不向きはあるわね。魔力の質とかにも左右されるから…』



 アン様の教え方は見た目によらず?とっても丁寧で分かりやすかった。

 今までピンときてなかったのは魔力量これくらいでっていう感覚が分かってなかったんだと気付きました。


 

 『細かく調整する時は…クッキー何枚分かで調整すればいいわよ』


 「ーー!!!アン様はなんで私の事そんなに分かってくれているんですか?」


 『ん?ヘルからねよく話は聞くからね…リリィはとにかく食べる事が好きって』



 ちょっと恥ずかしいではないですか…。

 でも、なんか上手くできそうな予感!!



 「では、やってみます!」

 『はい、がんばって』


 「まず、薬草を一掴み、綺麗な水に浸して…火にかける…それから…ゴクリ」


 

 ヤバイ緊張する!

 前の世界でも実験とか苦手だったんだよね…。

 美容師になってからもカラー配合苦手でやってもらっちゃってたもんな…。


 えーい!ガンバレ自分!!



 「ホールケーキ一つ分…手の平に…」



 アン様が作っていた時とは明らかに違う、ポワンッという音がした。



 「……。」

 『……。』

 

 「なんかポワンッて鳴りましたよね?」

 『ポワンッて鳴ったわね…』

 「鳴る事ってありますか?」

 『聞いた事ないわね…』


 

 とりあえず出来上がったポーション?を小瓶に移してみる。


 「色は…アン様が作ったのと変わりは無さそう?ですよね」

 『そうね…とりあえず飲んでみる?』

 「ーー。そうですね。飲んでみます!!」


 

 エイッと一口飲んでみる。



 「………。」

 『どうしたの?』

 「えと……効能は…よくわからないのですが…」

 『ですが?』

 「……味が」

 『味が?』

 「……イチゴショートの味がします」

 『??イチゴショート??』



 あ、アン様はイチゴショート食べた事ないのかな?


 「飲んでみてもらっていいですか?」

 『……頂いてみるわ』


 

 アン様も一口飲んで……。


 『……甘いわね。甘くて…美味しい!!ナニコレ!?』

 「なんでしょうか…魔力を込める時にイチゴと生クリームのホールケーキを思い浮かべていたからでしょうか……』


 『フフフ……そんな事初めて聞いたわ……。アンタって本当に規格外よね…』



 えー!?規格外なんて初めて言われた!!


 

 「あ、でもこれポーションとしては…どうなんですか?」


 『そうね…一口ですごい回復力ね…』

 「?。どういう事ですか?」

 『通常のポーションより効きがいいみたいね…』

 「え?そうなんですか?」

 『ええ。一口でコレだと一瓶飲んだらハイポーションくらいの効能がありそうね……』

 「え?でもこの薬草だと普通のポーション…が出来るんでしたよね…?」

 『そうなんだけど…アンタの魔力の質が良いのか…何なのか…』

 

 「……成る程!お得って事ですね!!」

 『……は?』


 「ほら、普通の薬草でいいヤツが出来るのってラッキーじゃないですか?しかも美味しいなんて!」


 

 アン様は一瞬ポカンとした顔をして、笑い始めた。



 『…クク……。本当アンタって変わってるわね…こんな…凄い事なのに…お得で片付けるなんて…』


 

 だってよくわからないんだもん!って言っても美味しいポーションが出来たのは大成功なんじゃない??

  

 ……待てよ。

 ホールケーキを思い浮かべてたらケーキ味……じゃあ他の食べ物を思い浮かべたら?



 「アン様!もう少し作ってもいいですか??」

 『いいわよ。…好きに使ってちょうだい』


 

 アン様太っ腹!!

 ヨシ、じゃあ…魔力はホールケーキのサイズ…味は……プリン!



 ポワンッ


 「成功?」

 

 ペロリと舐めてみるとプリンの味がする!

 次は…チョコレート!


 ポワンッ


  

 舐めるとチョコレートの味!

 次は…焼肉…!


 ポワンッ



 舐めると…焼肉味!!スゴイスゴイんですけど!!


 「ただ、飲み物がこの味ってのもちょっと気持ち悪いかも?……」

 

 

 アン様も隣でペロリと試食して、『美味しい!なにこれ!』と騒いでいる。



 ……コレ固形にならないかな。

 イメージしてやってみたら…出来ないかなぁ。

  

 とりあえずやってみるだけやってみよう!



 「薬草一掴み、綺麗な水に浸して火にかける。魔力はホールケーキ…味は生姜焼き…それを…固形に!」


 

 ポポワンッ



 「できた…!」

 『…ポーションの固形化…』


 

 某栄養食品みたいなサイズに出来あがりました。

 カリッと食べてみると生姜焼きー!

 アン様も、カリッと食べて目が見開いた!


 『アンタって天才かもね…ただ、固形は実戦には向かないわね…』

 「なぜですか?」

 『魔物とか何かと戦いながら回復する事もあるのよ?そんな時にガリガリ噛み砕いて飲み込むのが大変なものなんて…』

 

 「……確かに!そうですよね…じゃあやっぱり…飲むポーションは果物とかスイーツ系にして、固形の方は簡易食料みたいな感覚で……イケる!イケるぞ!」



 アン様の所で

  

 ・オレンジ味

 ・アップル味

 ・コーラ味

 の3種類の飲むポーションと


 ・焼肉味

 ・生姜焼き味

 ・カレー味

 の3種類の食べるポーションを作り上げたのでした。



 アン様的には一番初めのイチゴショート味がNo.1だそうです。




 




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