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62.オリエンテーションの始まりは何かありますか?

 

 ニナに見送られて部屋を出ると丁度アディと一緒になった。


 

 「あらリリィ。今日も美しいわね。それにすごいメンバーね」


 「アディ!貴方も…その、ロウ達が人化できるの」 


 「ん?知ってるわよ?ただ人型の状態は初めて見ましたけど…オーラが違うわね」


 「ね、ド派手だと思うでしょ?目立ち過ぎるのも困るのよね…」


 「ふふ…ド派手で済ませられる所が凄いわよ?」

 

 「アディのララは?」


 「うちの召喚獣()は人化できないからまだ隠れてるって。後で合流するわ」


 アディの召喚獣は鳥のララ。

 小さくて綺麗な羽が特徴的なのよね!

 というかこんな風にゾロゾロ連れて歩いているの…私だけじゃないの!?

 

 あ、女子寮は緊急時以外男子禁制だったんじゃ?一応召喚獣だし…?

 ……大丈夫かな?



 それにしても女子寮内は凄い騒ぎになってしまって結構大変な状態。

 アディと一緒で良かった…一人だったらキツかったと思うわ。


 女子寮の出入り口に向かうとそこはそこでなかなかに大変な事になっていました。


 テオ、レオ、ローラン、マティ、ヴィータとリュドまでが勢揃いで立っている。

 そしてイザベルとメル、レティも既に到着していた。

 

 それを少し遠巻きにして着飾った女の子達が囲んでいる。



 「あっちはあっちで凄いわ…」


 「うふふ。本当ね」


 「あ、リリィ!コッチだよ!」



 いち早く私達に気付いたレオが手招きをした。

 それだけで周りの女の子達の瞳がキラキラする…すごいね。



 「レオごめんなさい。制服で行くなんて言って…私ドレスの事知らなかったから…」


 「ん?制服でも大丈夫だったよ?でもリリィ、ドレス凄く似合ってる。綺麗だよ」


 レオの服装は揃いのブルーにシルバーの刺繍が施されていて完全にドレスとお揃い。

 胸には菫色のポケットチーフ。

 色彩的にはけっこう奇抜な感じだけど凄く似合ってるのがまたにくいわ…。


 

 「…ねえ、このオリエンテーションって一年生の時だけよね?こんな…ドレスとかで着飾るの…」


 「ん?まあそうだね。メインは一年生だからね」



 ああ、良かった…。


 

 「うふふ。リリィったら!次にこういう風に皆で着飾るのは…そうね芸術祭の後夜祭と高等部の卒業パーティーね」


 「え!?芸術祭でも?あとは卒業パーティーだけじゃないの?」


 「あら芸術祭の時はダンスパーティーがメインだからもっと大変よ?」


 「ーー!ダ、ダンスですか……」


 「リリィは苦手だよね…。大丈夫。一緒にレッスンしようね」



 レオの満面の笑みに顔を引きつらせてしまったのは言うまでもない……。



 「じゃあ向かいますか」


 テオがそう言うと皆でホールへと移動する。

 私達だけでも結構な人数なのにその後ろをまたご令嬢達がゾロゾロとついて来ていて、更に男子寮から出て来たフリーの男子生徒達がゾロゾロついて来ていた。


 ちょっと気持ち悪い…。



 「リリィ?どうしたの?」

 「レオ…ううん。何でもないのだけどね…何となくヌーの大移動みたいで…」

 「ん?何?」

 「あ、何でもない…」


 

 この表現の仕方は失礼よね……。


 

 ホールに到着するとサイドや後ろの方が立食パーティーらしくバイキング形式で食事が用意してあって、いい匂いが漂っている。

 窓側の方では楽団が待ち受けていた。



 「ああ、いい匂い…お腹すいたな…」


 「リリィ、食事は挨拶とかの後だよ?

 

 「分かってるわよ…」


 

 流石に恥ずかしくなってしまった…。

 

 ホールに人が集まり学園長達も入室し挨拶が始まった。

 最後に生徒会長のテオが挨拶。

 

 「本日は入学おめでとう。堅苦しい挨拶はもう抜きにして今夜は楽しんでください」

 

 音楽が流れオリエンテーション立食パーティーの始まりです。



 話に花が咲く人、ダンスを踊る人、話したい相手を探してキョロキョロしている人……様々だけど…バイキングコーナーにはあまり人がおらず、私はそっちに行きたくてウズウズしてしまった。



 「…リリィ?食事コーナーに行く?」

 『相変わらず色気より食気だなぁ』 

 『昔からそれだけは変わらないな』

 『たしかになぁどこに行ってもまず食事かお菓子だもんな』

 『こーんな令嬢見た事ねぇ』


 レオ、セル、ロウ、ネスル、ラスクが口々に人を落としてくる…。


 「ーーくっ。本当の事だから反論出来ない…」


 

 「フフ、相変わらずだね」


 

 後ろから笑い声と優しげな声をかけて来た男性がいた。

 振り返るとそこには、

  

 「ライル様!」

 「今はライル先生…かな?」


 ライル様は今年からこのアールヴレズル学園で治癒魔法を教える臨時講師にもなりました。

 治癒院でのお仕事もあるので、常に此方にいるわけではないですけどね。


 

 「またバイキングコーナーで会うのも僕達っぽいよね?」


 フフッと笑う美人系イケメンのライル様は、昔から…ちょっと憧れてます。

 だって、脳内年齢的には合ってるんだもんね!


  

 「…もう自分で取れますわよ?」

 

 ちょっと頬が赤くなるのは仕方ないと思うのです。


 「そうだね、ますます綺麗になったね」


 「ーーっ!お世辞はっ結構ですよっ!」


 「フフ…お世辞じゃないんだけどね」


 

 くーー!!美人系イケメンからのお褒めの言葉!!嬉しいけど恥ずかしいわー!!



 「ライル様!ご無沙汰しております!」


 「ああレオ。元気だった?」


 「はい。ライル様は今年から教えに来てくださるそうで…」


 「そうだね、よろしくね」


 「……何故、今なのですか?今までは何度お願いされても断られていたとお伺いしてますが?」


 「ん?そうだね…タイミング的に良かったからかな?」


 「レオ!もういいじゃない。私先に取りに行くよ?いいの無くなっちゃう!!」


 「リリィ待って。じゃあ、失礼します…」


 「ハハハ、またね。リリィも!」


 「はい!また!授業で!!あ、そのローストビーフと…あとそれとコレをお願いします」


 

 ハハッと笑ってライル様は去って行かれました。


 

 「……リリィは…結構ライル様の事好きだよね?」


 「え?何どうしたのレオ?」


 「ライル様と一緒だと、嬉しそうだし…」


 「……そうねライル様はねぇ、特別かな?」


 「ーー!……そう…なんだ」


 「そうよ?だって命の恩人よ。特別にもなるわ」


 「あ!そうか!治癒院で…」


 「?。あ、あとそのパスタをお願いします。レオあちらで食べましょう。先に行くわね!」


 「あ、待って!お皿持つから貸して」


 「何?レオ急に笑顔になっちゃって?」


 「何でもないよ?行こう」


 

 急に先を歩くレオに付いてテーブルの方へと急ぐ。

 その時に皆が振り返って来たのはレオが今まで学園で見せた事もないような柔らかい笑顔だったかららしい。


 

 何かそんなに嬉しい事あったのかな?


 あ!何か好きな食べ物があったのかもしれない!!






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