60.イベント盛り沢山ですね?
中等部入学式!本日も晴天也!!
皆で集まってホールへと向かいます。
「昨日はなかなか来なかったから心配だったけど今日は大丈夫そうね」
「あはは〜ご心配をおかけしました…」
アディは一番初めにサロンに到着していたらしく、なかなか来なかった私を配して自分の契約精霊のニェネを部屋に見に行かせたり…と色々探してくれたらしく本当に申し訳ない事をしてしまった…。
そんなに心配してくれるアディに私は何を返せばいいのかわからないけど、嬉しかったのでギューッと抱きついたら、テオにペイッと引き剥がされました。
……心狭すぎるやろ。
まあ、そんなアディも男女問わず人気ありまくりなので心配になる気持ちも分からなくもないけどね。
公私混同はしないタイプの二人だから表向きは和やかな二人だけど、裏側はベタ甘のバカップル。
このメンバーでいる時は皆自分を曝け出しているので、はっきり言ってバカップルだらけ…。
お兄様なんかはヘル命だから何とも思っていないみたいだけど、私なんかはね…一応乙女ですから!人並みに羨ましかったりはします。
だけどね…恋愛って……ん?……あれ?
私13歳になったんだよね。
まあ脳内年齢プラスするとだいぶヤバイけど、まあそれは置いておいて…。
そうか、別に変に年齢の事は考えなくてもいいのか…?
昔みたいにショタはNGとか、そういう年齢はもう超えた…?うーんまだダメかな?
恋をしている皆は楽しそうなんだよね…。
でもそれ以上に私は毎日が濃いので恋をしている余裕がないような…(ギャグじゃないよ!)
もう少しこの魔法世界を満喫したいという気持ちの方が勝ってしまってるからね…。
もう少しだけそういうの関係なく皆と仲良くしたいんだけど…。
年齢的にもそろそろそういった事が許されなくなってくるんだろうな…。
「リリィ?行きますわよ?」
「あ、うん。ごめんごめん。行こう」
ホールに到着すると新入生達がソワソワザワザワした状態で座っています。
時間になり学園長の話が始まります。
魔法学園らしく白髪の長髪に髭を蓄えた学園長。
担任等の先生達の紹介、それが終わると生徒会メンバーが壇上に上がりました。
一際ザワッとした後ホール内がコンサート会場の様にキャーキャーと叫び声やウォーッという雄叫び?の様な物で収集がつかなくなってしまいました。
テオがマイクに手をかけ手を挙げると、ホール内は一気に静かになりました。
「…テオすごいね」
アディに向けて話したのだけど、アディは壇上のテオを見てポーッとしてます。
ま、いいけどね…。
「新入生の皆さん、まずは入学おめでとうございます。壇上に並んでいるのは中等部の生徒会メンバーです。まずはそれぞれから一言ずつ挨拶をさせてもらいます」
壇上の皆がお友達って結構すごい事なんだ…。
一人ずつが挨拶する度にキャー!ウォー!と叫び声が上がって人気の高さを物語っていました。
ヴィータは?と目を向けると、周りの学生と同じようにキラキラした瞳で壇上を眺めています。
ヴィータの兄好きは私達の間では当たり前の光景で、この二人を対立させようとする大人達は何を見ているのだろう…と不思議でなりません。
リュドも同じくレオをキラッキラした瞳で見つめています。
お兄様の事も尊敬してはいるらしいのですが、ヘルマニアな事を知ってからお兄様に対しての言動が本当の兄弟のような気安さに変わりました。
イイコトだけど…ね?
「この後は教室に入ってもらって各担任から話を聞いてください。今日はオリエンテーションで、簡単な立食パーティーを夜行うので17時に第二ホールへ集合お願いします。服装は基本自由です」
へー!オリエンテーションか。
立食パーティーなんてなかなかにいいじゃない?楽しみだなー。
「アディは知ってた?」
「え?何を?」
「オリエンテーションとかあるの」
「ええ。え?リリィは知らなかった?冊子とか書類とかに始めの方に書いてあったわよ?それに婚約者の居ない方達にとってはとても重要視されているわよ?」
あ、読んでないのバレた…
アディに呆れ顔されたけど、そんな顔も可愛いので皆の注目の的ですね!
「はー。こんなに人気者とか美形美人と一緒だと、自分の残念さが本当に残念に思うわぁ…」
「え?リリィ?なんて言ったの?」
「ううん?何にも」
「?。教室へ行きましょうか」
アディと私、ヴィータとリュドが同じAクラス。メルとレティはBクラスだった。
メル達と離れたのは少し寂しかったけどアディと一緒だったのはすごく嬉しかった!
リュドは、私と一緒で良かったような悪かったような…あぁでも問題が起きた時にすぐ近くに居れた方が動きやすいか……なんて、失礼な事をブツブツと呟いていました。
……ヒドイ。
教室に入り担任の自己紹介と授業形態についての説明が行われて今日は解散。
じゃあ、と言って一度寮に戻るかサロンに行くか…と思っていると教室が一際ザワッと騒めいて皆がキャーキャー言っている方へ目を向けると、とびきりの笑顔で微笑むレオの姿があった。
「リリィ、ちょっといいかな?」
「レオ…どうしたの?」
ほら…また皆の視線がキラキラキャッキャからのザンネーンに…。
「ほら、夜にオリエンテーションがあるでしょ?エスコートするから女子寮の前で待ってるね」
「えーと、皆はどうするって?アディは?メルとレティは?」
「勿論、皆エスコートしに来るよ」
「そっか!ならいいね!あ、服装は…?」
「なんでも…って言っているけどドレスの子が大半だと思うよ。リリィにも…」
「私は制服で行くわ!ドレスなんて苦しくて沢山食べられないし」
「……フフ。リリィらしいね。女の子達はこのオリエンテーションは卒業パーティーの次に気合いが入るイベントらしいんだけどね…」
「ふうん?じゃあ後でお願いします」
「クク…はい。じゃあ後で」
ポンと頭に手を乗せて去って行くレオの後ろ姿を皆さんまたポーッとキャーキャーと…
デジャブかよ…。
これから先こんな光景いくらでも見るのでしょうか…見るのでしょうね。
「リリィ、レオ様がエスコートして下さるって?」
「アディ、うん。迎えに来てくれるって。オリエンテーションってそんな仰々しいの?ドレスの子とかいるって…」
「…リリィあなたって本当に…」
「なによ?」
「それがリリィらしいって事じゃない?」
「あ、メル!レティ!も、もう終わったの?」
「いい?リリィ、今日のオリエンテーションはね、婚約者の決まっていない人達が上級生と関われる数少ないチャンスなのよ。学園生活が本格的に始まったら出会い所じゃないからね」
メルが拳を握って力説してくる。
「あ…はい。え?…出会い…?」
「そうよ?皆必死なの。だからドレスで武装するし気合いも入るのよ」
レティも同じく力説して来た。
「ドレスで武装…」
「リリィも勿論ドレス持って来ているわよね?今日は準備の為に侍女とかを寮内に呼んでもいい日よ?」
アディが諭すように話してくる。
「あー、私制服でってレオに言ってあるし、それに持って来てないわよ?ドレスなんて…」
「えーー!!」
「メル、落ち着いて。多分リリィのお母様の事だから既にクローゼットに入っているのではないかしら?ニナもこのチャンスに必ず来ると思うのだけど…」
「えー?サラッと見たけど無かったと思うけどなぁ…。それに急に変えたらレオが制服で来る事になっちゃうし…」
「…レオ様がドレス用意していないなんて事あるのかなぁ…?」
「メル、どういう事?」
「だって、あのレオ様よ?あの、そつなし・マメ男がドレスの準備をしていないなんて事あると思う?」
「……思わない」
「でしょ?だから部屋に戻ってもう一度ちゃんと見てみなさいよ?それから必要だったらうちのメイドさん達を出張させるからね!」
「……はい」
…確かにこういうイベントの時とかは必ずレオからドレスや宝飾品が送られて来たりしてた。
それにお母様やニナがこのオリエンテーションの事を知らないわけがないよね…。
少し重い気分で寮に戻ると部屋の前にニッコリ笑顔のニナと大荷物が届いていた。
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