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53.犬猿の仲ってやつですか?

 

 あれから周りの皆にも謝罪し(ネスルのせいで竜巻起きちゃったりしたから…)家に帰ってお母様に叱られ、謝り倒し、お父様にはよくやったと謎に褒められ、セバスとニナには崇め立てられ…。



 疲れた…。



「リリィ?大丈夫?」

「お兄様…大丈夫です。少し疲れただけ…」

「所でさ、ヘル様って何が好きって言ってた?明後日僕も行くからさ、お土産を考えているのだけれど…ありきたりな物では埋もれてしまうだろ?」



 ……お兄様はヘルマニアだった。

知らなかったなぁ。



「ヘルは何でも喜ぶと思うけど…ほら、外の事に疎いし。今流行っている物でも長く使えるような物でも…」

「そっかー!そうだね!じゃあ明日にでも町に行って来ようっと、トマス!」



 何だったんだ?ワーワー言われたけどそのまま去って行かれたわ…。


 お兄様がヘルのファンクラブに入ってるって聞いた時は驚いたけど…。

ファンクラブがあるっていうのにも驚いたけどね。

お兄様の婚約者が決まらないのはそのせいだってお父様が言ってたな…。

推しメンに全てを捧げてるから今は無理だ…って事ね。


 そういえば学園に入ってから、なんだかんだと忙しくしててなかなかテオやレオには会えなくなったなぁ…。

 元気にしてるかな?


 

『なんだ?好いた男の事か?二人もいるのか?』


「ん?ネスル何言ってんの?お友達よ?」


『そうなのか?』


「それよりも、明後日ヘルの所に行くけど一緒に行くよね?』


『ーーー。行く。が、かなり…緊張している』



 そうよね、長年無意味に嫌っていた相手に会いに行くんだもの…緊張するわね。



『無意味…って』


「え?無意味じゃない?相手の事をよく知らないのに嫌うなんて、実はすごい気が合うかもしれないのにさ」


『気が合う…ね…。そうなれればいいがな…』



 まぁ、あんまり深く考えずにさっ!

お土産は何にしようかな、ヘルって私の作ったお菓子じゃないとイヤって言うからな…。

 何か買いに町に行く事もできないからチョットだけつまらないけどね。


 うーん。

かりんとう、お好みラップ、ボーロはもう持って行ったし…。

……チュロスにするか。

ヘルは食べた事ないだろうし!プレーン、チョコ、ストロベリー…何種類か作って行こう。


 ヨシ!そうと決まれば…シェフー!!お手伝いお願いします!!





 ◇◇◇





 皆様こんにちは、リリィです。

今、目の前ではニーさんとネスルが羽を組んで笑い合っています。


 何がどうなってこうなったか…というと、時間は遡る事数時間前。




 ◇




「ニーさん、こちらはネスル。私の契約獣になったの。仲良くしてね」


『オイオイ、リリィまじかよ?フレスベルクが契約獣だと?ていうか、ヘルヘイムに足を踏み入れるなんざ100万年早いんだよ!』


『チッ……リリィ、やっぱりオレ帰るわ』


「ネスル、落ち着いて。ニーさんも話聞いて」


『帰れ帰れ!とっとと帰れよ!』


「ニーさん!もう!ヘルも何とか言ってよぉ」


『おーいしーい!!コレ!!このチュロスなるモノ…旨すぎるもん!!…』


 

 あぁ、お話にならないわ。



「お兄様…はダメか使い物になるわけ無い…と」



 お兄様はヘルの一挙手一投足を穴が開くほど見つめている。

前の世界だったら、カメラ片手に凄い事になってそう…。



「セル…なんとかならない??」


『うーん?コイツらはなぁ、すんげぇ昔からこうだからなぁ…コレ、チュロス旨っ』


 

 あーあ、ニーさんもネスルも睨み合っちゃって…ヘルの所のスケルトンさんとかカチカチ骨が鳴っちゃってるし…。


 うーん…

 ここで二人が会えたんだからもう色々話し合っといた方がいいよね。

キライならキライでいいし、とりあえずちゃんと話そう。

その為にその間に入ってた子に話聞かなきゃだ!



「ネスル!ニーさん!貴方達の間に入ってたって言うコは誰なの?そのコに来てもらって話聞いてみたらいいじゃない!?」


『…アイツだよラタトスク』

『リス野郎のな!』


「今はどこにいるのかわかる?」


『さぁな。世界樹のどっかだろ?』


「世界樹…ドリーとかエントとかだったら分かるかな?」


『ていうか、お前の契約精霊に聞いたら一発だろぅ?モグモグ』


「あ、そっか!オベロン!えーと、ラタスク?は今どこに居ますか〜?」


『リリィは本当に名前を覚えるのが苦手だな…』



 オベロン早いわね、仕方ないのよ…誰かにも言ったかもしれないし言ってないかもしれないけれど、人には向き不向きって物があるの。

努力はするわ、努力はしているのよ!!

でも、…でも長かったり、ややこしいのは覚えられないのよ……コレばっかりは私ももう…諦めているわ……皆さんごめんなさい。



『ヒトの名前は間違えないのにな』



 セル、そういう事は言わないで〜!



『ラタトスクは今世界樹の湖だな』


「連れてくるか、コッチから行くか…」


『コッチから向かう方が早いな。逃げ足の早い奴だから奴の四方を囲む形で転移したらいい』


「じゃあ、私、セル、ニーさん、ネスルで周りを囲って上をオベロンが…でいいかな?」


『なんでオレがコイツと協力しなきゃいけねえんだよ!』


『…オレだって』


「ちょっと!!ニーさんもネスルも!そんな事言ってる場合じゃないわよ!!早くしなくちゃ!逃げられちゃう!早く行くわよ!!」



 ガシッと二人の羽を掴んで


「セル!オベロン!ヨロシク!!ヘルとお兄様!ちょっとだけ行って参ります!!」



 お兄様はニンマリと嬉しそうに手を振った。

ヘルはチラリとコチラを見て頷き再びチュロスを食べ始めた。



『ちょっチョット!リリィ!羽引っ張らないで…』

『リリィ!分かったから!!そこは風切羽だから!!チョッ!!』


 


 シュンッとヘルのいる冥界から世界樹の湖へ移動します!!!




 


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