表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

41/117

41.背後に何かあるんですか?

 

 『で、何があったんだ?』


『……多分だけどなぁ嵌められた…』


「はめられた?」


『……マルタン以外の国か人…だと思う』


「え!?他の国の人がやったって事?」


『……多分だ、多分。ココ… フヴェルゲルミルは死者が集まる冥界の入り口だ。あの魔具で数年後には瘴気が溜まりに溜まって…そんな事になったら死者が意思の無い魔物に変わっちまう』


「そしたらどうなるの?それに、なんでそれが他国がやった事になるの?」


『……ココに一番近いのがマルタンだ。そうなった時に魔物が一番に押し寄せて行くのは…』



 ーーーー!!



『成る程。マルタン王国に恨みがあるか…滅ぼしたい、何かしら痛い目にあって欲しいと思っている国もしくは人物が…という事か』


『憶測だけどな…』


『ケケケ…でもお前が絡まってるのは見ものだったけどな』


『………うるせぇ。オレだってあんな一瞬でやられるとは思ってもみなかったからな』


『……あいつは気付いてないって言ってたよな』


『ああ、それも多分…だけどな』


『って事は…冥界ヘルヘイムからの攻撃だと思わせる為…か?』


『……オレはそう思う』



 んーと、あなたを一瞬で捕縛して魔具で瘴気?を集めて死者を操って?マルタン王国(うち)に攻撃させて乗っ取る?潰したい?

それを、この下にある冥界のせいにして冥界とマルタン王国(うち)で戦わせるって事?


 わぁ、悪どい考え方だわぁ。

自分は高みの見物決め込む的な?イヤらしいわぁ。


 あ、ロウちょっとちょっと…ゴシゴシ。



『……ヤメロ』


『えーと、…て事は結果的に甘い汁が吸える所か、支配したい所って事だな。ってもすげえ長い目で見てるよな。ニーズヘグ、お前もあのままだったら瘴気に取り込まれる所だったって事か?』


『……まあ、そういう事だな。オレ含めて年単位で…時間をかけてまでマルタンを追い詰めたいと思ってるヤツがいる…という事だな』


『とは言っても今回リリィのおかげで芽を摘む事ができたがな』


『そういう事…。お互いに助かったって事だな』



 ーーー!って事は良かったって事だよね?

ニーズヘグってそこにずっといて瘴気に取り込まれたらどうなってたの?



『……大暴れ』


『自我無しだろ?マルタンくらい簡単に壊滅かもな…』



 えー!ヤバッ!!

そんな感じになっちゃうんだ!?

じゃあ尚更良かったねぇ。

自分の知らないうちにそんな事してたら困っちゃうよね。

責任取れないもんね?

でも、知らないとは言えないもんね?

あー良かった良かった。

 ん?て事はマルタン王国(うち)も助かったって事か!

精霊達には困ったけど、結果オーライだね!


 サンキュ!フルール!エント!ドリー!!

ついでに迎えに来てくれてサンキュ!ロウ!セル!

 

 あと、ニーズヘグ…呼びにくいな、皆になんて呼ばれてるの?あとここで何してたの?



『ーーー!くく。なんだ?コイツ変なヤツだなぁ』


『リリィはな…チョット普通のニンゲンとは違うからな、面白えぞー』


『……だからか?お前みたいなヤツが生涯の契約したのは』


『そうだせぇ。羨ましいだろ?』


『くくく。まあ、オレにはもうそういうヤツがいるからな。ま、好きに呼んでくれよ。何してたかって、見回りだな』


「ニーズヘグ…ニーさんでいっか。」


『……』


『こう言うヤツだからな、色々諦めろよ?』


『はぁ、んで?』


「ニーさん、見回りって何で?」


『なんで…って、たまに来る嫌な奴らを追っ払うのと、上の嫌な野郎の動向の探り入れてんだよ』



 追っ払いに来て捕まって絡まったワケか…。

相手が上手って事なのかな?



『チッ。嫌な所突いてきやがる。ただ、本当につい最近やられたんだ。この辺に来てたヤツの事は精霊のヤロー共か死霊共だったら知ってるヤツもいるかもしれねぇ』


『ふむ、確かにな。ドリアード、エント何か知ってるか?』


『うーん。私は知らない…こんな所に来れるニンゲン?なんて限られてるとは思うけど』


『…判らない。こんな…事になってるなんて…思っても……みなかった……』


『ドリアードが知らないなら樹木の精霊は知らないだろうな。死霊の方はどうなんだ?』


『……ヘルの所に行かなくちゃ判らねぇ』



『『…じゃ…帰るか……』』



 ち、ちょっと!急に何なの?どうしたのよ?



『イヤ、多分これ以上は掘り下げたらダメなヤツ』

『そうだな。同感だ。だからもう帰った方がいい。』

『あ、ほら、アイツ…セバスもリュドも心配してるぜぇ』

『そうだな、アイツ…セバスが精霊界を燃やしかねんぞ。さ、帰ろう!』



 ?????



『クックック。お前ら…ヘルの事苦手すぎるだろ』


 

 ヘル?誰かな?


『リリィ、もう帰るぞ!!』

『飛ぶから、しっかり捕まっておけ!!』


『ククク…まあ焦んなよ。ヘルはまだ睡眠中だ。色々確認してから知らせるからよ。』


『なんだよ…ビビらせんな…』

『ふう。我は焦ってなんかいない』


『リリィ、本当に助かった。ありがとう。また礼をしに行くから、そん時はヨロシクな』


  

 うん、分かった。

家にも遊びにおいでよ!ロウとセルもいるし。

他にも沢山楽しい人達もいるからさ!!

待ってるね!



『ククク…【嘲笑する虐殺者】と呼ばれるオレにこんなに気軽に声をかける奴も珍しいぜ。約束しよう、ヘルと共にお前の家に報告がてら遊びに行くよ』


『いや、バカヤロ、ヘルは連れて来んなよ!』


『本当に、連れて来るのはやめた方が身のためだぞ?どうなるか我等も分からないからな』


『??なんでだ』


『まあ、それはまた日を改めて話すから…もう帰るぞ!』


『今度こそ本当に帰るぞ。リリィいいか?』



 ??よく分かんないけど、了解。

フルール、エント、ドリー、ニーさん、また会おうね!!ヘルって人によろしく伝えておいて!!



『おー、じゃあな、本当にサンキュ』

『リリィごめんねーまた温室で会おー』

『リリィ本当にごめんなさい。また遊んでね』

『リリィ…ごめんね……また…』



 皆バイバーイ!!



 ピカッと光って、光が落ち着いたらよく見知った光景だった。



「リリィ様っっ!!」

「リリィ!!」


「あ、ただいまー。ご心配をおかけしました」


「リリィ様っ。よくぞ無事で帰ってこられました…このセバス…いつ乗り込んで行こうかと…」

「リリィ、無事で良かったです…。心配しました…」


「ごめんね。せいれい達のイタズラ?みたいな物かな?あっ!!でも、コレ」



 持って帰って来たビー玉みたいな物を葉っぱのポーチから取り出して見せた。



『だから、素手でいくな』

『チリッとするんだろ?』


「……コレは、魔具?ですか?」

「リュド、正解です。これは瘴気を集めて沼を作る魔具ですね。一般には流通してはいませんが…。リリィ様これをどこで?」


「どこだっけ??ロウよろしく」


『ふぅ…フヴェルゲルミル…の泉の近くの森の中だ』


「フヴェルゲルミルの泉…ですか。では、なにか陰謀めいた物という事ですかね。この魔具お預かりしても?」


「うん。調べてもらう為に持って帰って来たの。よろしくね、セバス」


「勿論でございます。全てをお調べしておきますので、リリィ様はもうこの事はお気になさらず」


「うーん。まあ、確かに私には分からないから…。あ、でも今度そのうちにニーさんとヘル?さんが遊びに来るって言っていたよ!」


「ニーさんと…ヘル……ですか……畏まりました。また、その時はご連絡頂けますよね?」


「?多分ね、ロウかセルに来るんじゃないかな?」


「畏まりました。では、私めはこの魔具についてすぐにお調べします。この件についてミシェル様にも私めから話をしておきますので、ご心配なく。また連絡がございましたらすぐにお知らせ下さい。では、失礼致します」


「リリィ!僕、生きた心地しなかったです…」


『アイツと一緒だったからな…』


『仕方ないだろう?』



 皆に心配を掛けてしまったみたいで本当に申し訳ないや…。

ふぅ…でも流石に疲れたな…。

ヨシ、寝よう!!



 ロウ!尻尾枕して!!





読んで頂きありがとうございます!

☆評価、ブクマして頂けると嬉しいです!

宜しくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 神話だとヘルはフェンリルとヨルムンガンドの姉か妹になるけどこちらではどんなに関係になるのかな。リリィと友人になれるかな。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ