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30.本当に流行るべきお菓子はこれで合っていますか?


 お茶会のお誘いを頂き、何か手土産を持って行こうと考え中です。

何がいいかな?お菓子?茶葉?お花?

うーん、悩める!!!



『ヒトとはめんどくさいモノだな』 


『そこは同意するぜ、たかがお茶会になんで土産までいる?』



個人的なお茶会だとそう言うモノなのよ!仕方ないじゃない。

何かいい案ない?



『うむ、我の毛…とか』

『オレの鱗…とか?』



はぁ?

そんなモノ却下よ!却下!!ゴミ貰ったって嬉しくなんてないわよ!



『え…ゴミ?あの…我の毛は結構レアアイテム…』

『あ…オレの鱗もかなりレア…』



ゴミでしょ?

そんなモンその辺に散らばってるじゃない。

それにいつも掃除が大変なのよね!

季節の変わり目なんてアンタ達の毛と鱗で部屋中が大変な事になってるんだからね!




【…リリィは知らない。


フェンリルの毛は防具に付与すると最強の防御力を誇る防具になり、ヨルムンガンドの鱗は武器の生成に使うと最強の武器に仕上がる。

一房、一枚、売れば大層な額になり、皆が喉から手が出る程に欲するモノである事を。


ミシェルの指示でニナとセバスが毎日かき集め、きちんと保管してある。

いつか、リリィが家を出る時(出したくはないが!!)に渡そうと思っている事を】




どうしようかなー。

やっぱりお菓子かな!

ヨシ、そうと決まれば…シェフの所へ行ってくるね!



『…落ち込みたくはないが…ゴミ…。結構落ち込むな…』

『確かに…リリィ容赦ねーから…』




さて、キッチンへやって参りました!

腕自慢のシェフとメイドさんにまずは、相談よ!



「どう思う?」


「確かにお菓子とかは大変喜ばれると思いますよ」



だとしたら、何にするか…よね。

在り来たりの物はイマイチだし…簡単で手軽、そして美味しい…


かりんとう…とかはどうかな?

小麦粉と砂糖、牛乳…ベーキングパウダーとかはあるのかな?無かったら無いでできるけど!

昔よく作ったよね…ポリポリ食べれて安上がりで旨い。

この世界にはあるのかな?かりんとう。



「かりんとうっておかしは、しってる?」


「…かりんとう?ですか?ちょっと聞いた事が無い…ですね」


「そっか…でも、これだったらつくれるから…つくります!おてつだいよろしくおねがいします」


「畏まりました!」



簡単なバージョンだったら本当に簡単なのよね!まぁ、お貴族様の口に合うかはまたのお話だけど…。



小麦粉に砂糖を加えて、牛乳入れてよく混ぜる!そして、纏まるまで混ぜたら、薄く伸ばして細目に切る!油で揚げて…と。

外側の砂糖は熱で溶かしておいて、あとから絡めるのよね!

ナッツはあるみたいだし砕いた物を合わせたら美味しいし、それも作ろう!


シェフとメイドさんに手伝って貰って完成!!


さて、お味は…ポリポリ。

うん、コレコレ!ポリポリ、うん、止まらない系!

あ、シェフ達の視線が痛いわ。



「あじみに、おひとつどうぞ」


「あ!申し訳ございません!いただきます!」


ポリポリ、ポリポリ、ポリポリ…

皆さん無言だけど、手と口が止まらなくなってます。


「えーと、そのあたりでとめていただいて…」


「はっ!すみません!!止まらなくて!」

「おいしすぎる!この素朴な味が何とも言えない!」



え?そんなに?まぁ、美味しくできて良かった。

お父様とお母様、お兄様にも後で差し入れしましましょう。

えーと、シェフ達にも少し残して置いて…。

簡単だからシェフにレシピ教えてまた作ってもらおう!



「…レシピを教えていただけるのですか!?そんなっ…宜しいのですか?」


「いーのいーの。おいしいのたくさんつくってもらったほうがいいからねっ」




この日以降、何度となくかりんとうがお茶請けに出されて、王宮でも人気の品になっていき、町でも売られるようになりマルタン王国にかりんとうブームが巻き起こるのでした。




◇◇◇◇◇



さて、そしてお茶会当日。

可愛くラッピングしたかりんとうを片手にいざ、出陣!!

お茶会は誘ってくれたローランの家で行うので、向かうはフルニエ公爵家です。

よそのお家に行くのは、アディの家以外では初めてなのでちょっと緊張してます。


馬車で向かうと結構ご近所さんでした。

豪華な門を潜り抜け玄関先に馬車が止まって、扉が開くと先に到着していたレオがエスコートしてくれた。



「ほんじつはおまねきいただき、ありがとうございます。リリアーヌ・ベルナーともうします。よろしくおねがいいたします」


「この間は本当にありがとうございました。リリアーヌ様、こちらボクの婚約者のイザベル・フォーレ、イザベル、こちらリリアーヌ様」


「わぁ!リリアーヌ様!噂以上にかわいらしいですね!」


「?ありがとうございます。あ、おちゃうけをもってきましたのでぜひ」


「ありがとうございます。いただきますね、じゃあ、座って下さい」



私、レオ、ローラン、イザベルでお茶会スタートです。


「リリアーヌ様、コレは何ですか?」


「コレは、かりんとうというおかしでそぼくなあじわいが、クセになるんですよ!」


「へえ!あ、美味しい!確かに止まらなくなるかも…」


「リリィの手作りだよね?美味しい!!」


「え!リリアーヌ様手作りされたのですか?すごいですね!あ、すごい美味しい…」



ポリポリと皆の手が止まらずあっという間に持ってきていたかりんとうは無くなってしまった。



「ハハ!食べ切ってしまった!こんな事ないよね!」


「確かにそうですね、全て無くなるなんて…まだ食べたいと思ってしまいます」


「さすが。リリィだよね!」


「ありがとうございます!またのきかいにつくりますね!」



皆からは大好評!で、場の雰囲気も和んで話も弾んだ。



「で、ローラン結局プレゼントは何にしたの?」


「ハハ、お恥ずかしながらイザベルと一緒に本屋に行ってケーキを買って家でお祝いしたんだ」


「ふふ、楽しかったですよ?」



あら?この2人、すごくいい感じじゃない?

イザベル様も本当にただ恥ずかしかっただけだったのかな?



「…リリアーヌ様に言われて、イザベルときちんと話をしたんだ。僕達は親に決められた婚約者だけど、小さい頃から一緒に居た幼馴染みだったし、婚約が決まってからイザベルの様子がおかしくなったから…どうしたらいいのかわからなくなっていたんだ」


「リリアーヌ様、ローランと向き合うきっかけを作って下さってありがとうございました」


「そうだったんですね!!ちなみに、わたくしのことはリリィとよんでください」


「じゃあ早速、リリィありがとう!勇気を出して話したら、お互いに照れてどうしたらいいかわからなくなっていた…だけだった」


「元は幼馴染みで一緒に走り回っていたのですもの、急に婚約者と言われても…恥ずかしくて…」


「ふふっ。いまはもうなかよしですね!」


「ハハ!そうだね。仲良しだよ」


「リリィ様は、本は読まれますか?」


「えーと、まだあまり…えへへ。このあいだ、まほうにかんするほんはレオにすすめてもらってよみましたけど…」



あー、そういえばあの本のせいでセルが出てきたんだったわ。



「そうなのですね。絵物語等は読まれますか?」


「あまり…てをだしておりませんの。あ!でもさいきんよんだのは『ちまたでわだいの5つぼし』っていう、ざっしですね!」


「5つぼし…?」


「あ、はい。えっと、おいしいごはんやさんの…」



あ、やっちまった系?えーとどうやって挽回しましょうか…えーと、えーと。



「リリィ…君は本当に面白いね!」


「え?そうかしら?しょくってじんせいにおいて、とってもじゅうようだとおもうのだけど」


「ふふっ。あ、ごめんなさい。リリィ様って楽しい方ね」


「あはは…」


「リリィ様、私とも仲良くしてくださいますか?」


「もちろんです!ぜひ」



アディに続いて女の子のお友達がまた1人増えた!

変なの(ロウとセル)も居るけど、今回の人生は可愛いお友達が沢山できそうで嬉しいかも!



「そういえば、今度ヴィクトル殿下の4歳の生誕祭だね。レオとリリィは勿論呼ばれてるよね?」


「そうだね、もうすぐだね。ヴィクトル殿下は大人しい方だから仲良くしてくれって言われているんだけど…なかなか…タイミングが難しいね」


「今回の生誕祭で少しは話ができるといいけどね」



ヴィータ…皆に心配されてるぞ…。

あの王子は喋らない、主張しない、存在感がない、の3無い男だもんな。

でも、いきなり側にいたりするからビビるんだよね。



「リリィはヴィクトル殿下と同じ歳だったよね?交流はあるの?」


「…あるというか、ないというか、ですね」


「?」


「テオがリリィの家に遊びに来た時にはくっついて来てたみたいだけど…友人が1人でもできれば殿下も変わると思うけどね」


「僕達だとどうしてもテオ寄りになってしまうからなぁ。同年代で…となると、僕達みたいに固まっていないよね。女の子の方が多い世代だし」


「そうですわね、ローランも下は妹さんですし、リリィ様とデュボア家のアデライト様、モロー家のコレット様も…」


「見事に女性陣ばかりだね…」



えー!?そんなに同年代の女子もいるんだ。

知らなかったわ…世間て、狭いけど広いわ…。



「ローランさまの、いもうとさんはいまはどこへ?」


「リリィの興味がメラニーに移ったぞ」


「メラニー…妹は今日は母とモロー家に行っているんだ」


「あら?婚約式ですか?」


「いや、まだ顔見せの段階だって」



え!?ここも婚約?

この世界、なんかすごいね…。

全体的に早いよね?婚約とかそういうの。

貴族ってそんな物なのかな?あ、昔の日本も元服とか15歳?とかだったよな。

その時代とかだったら早くてもおかしくはないのかな?そうだよね。



「みなさん、すごいですね。でもちいさいころから、あいをはぐくんで…みたいなのはすごく…すてきです」


「ふふっ。ありがとうございます。リリィ様もレオ様とはいつ婚約式をされるのですか?」


「?わたしとレオはそういうかんけいではないですが…」



あら?隣でレオがガックリと項垂れちゃったわ。

ローラン様は何か肩にポンポンして慰めてるし…

あ!でも保留にしたんだっけ?

ん?でも、お父様がバッサリ断ったって言ってたよね?



「距離は縮まっているはず!オレ頑張るよ!」


ウンウンと、ローラン様とイザベル様が哀れみの視線を送りながら頷いているんですが…。

レオの事は嫌いじゃないし、どちらかというと好きな部類に入るけど…

どうしてもまだね…


ショタっ子ラブにはなれないんだよーーー!!


ゴメンよ…もう少し、もう少し育ってから考えさせて下さい!!







読んで頂きありがとうございます!!

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