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29.いい方向に話は進んでいますか?


 孤児院から帰ってきて、何となーく腑に落ちない感じがずっと胸にモヤモヤしていて…


「はぁ…」


『リリィ、どうしたのだ?』


「ロウ…なんだかね…なんだろう…」


『孤児院行ってから、大人しくなったな…お菓子もあんまり食べなくなったし』

「うん…セルも…」


『逆に食い過ぎなんじゃねーの?胸焼けか?』

「うん…」


『リリィがこんなんだと調子狂うじゃねーか!』

「うん…」


『……』



はぁ、なんだろう。

こんなにモヤモヤするの、初めてだな……。



「リリィ様、レオポルト様が来られるそうですが、宜しいですか?」


「あ、セバス。だいじょうぶよ。そうおへんじしておいて…はぁ」


「…リリィ様?」


「…セバス…そういえばセバスのごりょうしんはけんざいなの?ほとんどベルナー家(ココ)にいるけど」


「リリィ様、私めの親はもう随分昔に亡くなっていますので、すでにおりません」


「ーー!そう、ごめんなさい…」


「いえ、とんでも御座いません。本当にもう…随分と昔の事なので、リリィ様お気になさらないで下さいね」


「…セバス…このくに…やみのぞくせいのせいで、くるしんでいるひとって…おおいのかな?」


「…そうでございますね。闇の属性自体が少ないので何とも言えませんが…その少ない人数の中でと言いますと…ほぼ…と、言っておきましょうか」



ーーー!!

そうなんだ。

ただ、闇というだけで苦しんでいる人がやっぱり沢山いたんだ…。



「なんとか…できないかなぁ」


「そうでございますね…。ただ今回のリリィ様のご活躍で今後の対応が随分と変わるとは思います。マルタン王国内で選定式前の子で闇の属性の子はわかっているだけだと1名。選定式後から学園入園までの間で3名。学園内に4名。成人者が20数名…という所ですので」


「セバス!!すごい!にんずうはあくしてるの!?」


「選定式を受けていない子もなかにはいるかもしれませんから、確実な数字ではございませんが…」



本当に少人数なんだ。

闇って…レアってやつ?これから人気出たりするんじゃないの?

…それにしても、大人とか学生さんとかはこれからの政治が変わる事でなんとかいい方向に変わっていけばいいけど、この選定式前から学園入るまでの4人がどういう風に育っているのか!って所よね。


ん?あれ?選定式前のって、孤児院にいたリュドの事?

それ以外の3人のうち、1人はレオ?あとの2人は?



「リリィ様?」


「セバス、わたしこのあいだこじいんで、やみのぞくせいのこにあったわ」


「左様でございますか」


「こどもで、のこりの3にんのうち、ひとりはレオ?あとは?どこにいるの?」


「そうでございますね。レオ様の他2名の内1名は今は他国に。残りの1名は王宮魔導士の元で訓練しているそうです」


「あれ?そうなんだ!たいぐうがわるいとかいうことはないのね!」


「遠い昔は、もっと酷い扱いを受けるものが多かったと言われておりますが徐々に闇の人数が減って行く毎に変化してはいたそうですね。遠巻きに見られる事や噂の的に…等といった感じでしょうか。現マルタン王の統治に変わって10年、今では殆どの方が王宮預かりになっております」


「…リュドは?」


「選定式を終えてから…王宮預かりになるのではないでしょうか。もしくはどこかの家に養子に…という事もあるかもしれませんが」


「養子…」


「良、という判断が降りれば…でごさいますが」


「だめなばあいもあるの?」


「ございます。闇の属性の方を養子にする場合、人柄、家柄、仕事、周りの環境、四親等まで調査が入りそれから面談を数回、最終的に王の許可が降りて始めて良、となります」


「きびしいのね」


「現マルタン王になってからでございます。というかですね、ミシェル様の作った制度でございます」


「おとうさまが!!」


「なので、今回の件も一早く動かれておりますよ?ミシェル様は自身の幼年期より常に闇の者たちの事を能力の高い素晴らしい人材だと呈しておりましたから。この度のリリィ様のご活躍のお陰だと仰っておられました」



そっか!じゃあ殆どの人達がもう大丈夫って事ね。

リュドも王宮か養子か…いい人と巡り合えればいいのだけど。



「ああ、少しお喋りが過ぎてしまいましたね。レオポルト様への返信が遅くなってしまいました。どうされますか?」


「え?きていただいていいわよ?」


「…チッ…左様でございますか。では、その様に。失礼致します」



え?セバス?舌打ち?


まぁ、何となく何となくだけど胸の痞えが取れた感じね。

やっぱりお父様って凄いなぁ。

私が思うよりももっと凄い人なのかな!?


『元々4属性扱えるって凄い事だからなあー。オベロンの次くらいの実力になるのか?』


『確かに…ミシェルが生まれた時は精霊界が騒ついたと聞いたものだ』


そうなんだ!すっごい!!


『リリィ、お前が…宿っ』


「失礼します。リリィ様、レオポルト様お見えになられました」


「あ、はい。おりるわ。ニナ、だいじょうぶかしら?」


「はい。リリィ様はいつでも光り輝き、私の天使…女神…」


「…じゃ、いくわ」


ロウ、セル、話は後でね!



『ああ、そうだな…』



「リリィ様っお待ち下さーい!!」




◇◇



『…リリィがマリアに宿った時は精霊界だけじゃなくて魔界も激震に震えたんだよな…』


『ああ、凄い噂話とオベロンの自己中極まりない

王命が出たな…』


『ああ、全ての精霊にリリィとの契約は勝手にしてはいけない、した場合は王の名の元に罰則を与える、だっけ?暗にオベロンが契約したかっただけだろ?』


『召喚獣達は胸を撫で下ろしたって話だったな、くくく』




◇◇◇



「レオ!いらっしゃい!きょうはどうしたの?」


「リリィ!会いたかったよ!いつでもリリィは可愛いね」


レオ、答えになってないわ。

挨拶の手の甲にキスももう慣れたモノよ!



「今日はね、この間会ったローランからお礼がしたいって話でね、先にリリィに話を通しておこうと思って」


「ローランさま…あ、ぷれぜんとになやんでいらしたかたね?おれいってなにかしら?」


「あの後、婚約者とちゃんと話したらしくて、少し距離を縮める事ができたんだって」


「あら、それはよかった!」


「それで、今度ローランと婚約者のイザベル嬢がリリィに会いたいって言っていて、お茶会を開こうと思っているらしいんだ」


「そうなのね!おちゃかい…は、えーとかたくるしくなければ…」


「アハハ!大丈夫!リリィとアデライト嬢がいつもやっている様な簡単なお茶会だよ」


「それなら、ぜひ!」


「ふふ、じゃあ招待状とかは無しでもう参加と伝えておいてもいいかな?」


「うん」


レオと話していたらキラキラとシエルとセリカが周りを飛んでいた。


「あ、シエル!げんきになったの?」


『リリィ!もう大丈夫だよ!本当にありがとう』

『リリィ、アンタのお陰でシエルとちゃんと一緒に居れるようになった!ありがと!!』


「セリカも!あいかわらずかわいいなあ!」


「…リリィ、君って呼び出していない聖霊の姿が見えるの?」



あっ!しまった!!

レオだからって気を抜き過ぎて普通に精霊と話しちゃった…。

お父様達には人には言うなと言われてたけど…。

んー、レオならいっか!

絶対におかしな事にならないって思うし、信用できる相手よね。



「レオ、ないしょにしてくれる?」


「勿論だよ!」


「よかった!まえまではね、みえたのはひかりのかたまりだけだったの。ロウとセルといっしょにいるようになって、こえもすがたもみえるようになったの」


「リリィ!すごいね!!契約者以外に見えるなんて、初めて聞いたよ!」

 

「えへへ、おとうさまとおかあさまにはぜったいにひとにいってはいけないっていわれてるのだけど、レオはとくべつ!」


「え?特別?」


「うん」


「嬉しい!リリィ!オレの事信用してくれているんだね!」


ギュッと抱きしめられて、心臓がギュッとした!


「レ、レオ!」


「レオポルト様、リリィ様からお離れ下さい」



わっ!セバス!殺気が!初めて見たんだけど…セバスのオーラ…黒?



「セバス!おちついて!」


「ああセバスごめんね。嬉しくてさ」


「…失礼致しました」



落ち着いたセバスはまた無色になっていたけど…見間違いかな?



『……』

『……』



あれ?シエルとセリカ?レオの影に隠れちゃった…。

もう少し話したかったんだけどな…仕方ないか!

精霊と戯れるのとか夢よねー!

やっぱり自分の契約した相手だと、もっと可愛いんだろうなぁ。


色々と待ち遠しいわっ!


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