14.魔法具屋での出会いは必要な事だったんですか?
「リリィどうしたの?」
魔法具を色々見ていたお兄様とトマスがやってきた。
「リリィ様、またおかしな事言って困らせてんじゃないっすか?」
失礼ねっ!
今回は私は何もしてないわよ!
「りんりんさんにコレをかこうできるか、かくにんちゅうよ」
「ん?あ、あの花っすね。リンリンさん、すみません。高位の加護付きの物いきなり出されても困りますよね」
「あ、いいのよ。チョット驚いただたけだから…」
ん?加護付きって珍しいの?
「えーと、できますか?」
「…できない事はないわよ。ただ、この加護をそのままに…っていうのが難しいだけよ」
あー、難しいんだ。
そっか、無理なら仕方ない。
人間諦めも大事よね?
「そうなのですね、じゃあムリってことですね」
「ーー!言い方!!失礼ね!出来るわよ!やった事ないだけで!ただ…チョット時間かかるわ…加護を壊さないように慎重にやらなくちゃいけないし」
「あ、おはなは、なんこかあるのでしっぱいおーけーです」
「ーーー!だから!言い方!!失敗しません!しないようにするわよ!!職人舐めんなよ!」
わー。
すごい迫力ー。
あ、お願いするのにもちゃんと確認しておかなきゃ!
「えーと、かこうだいはおいくらになりますか?」
「……。とりあえずいらないわ」
えー?急にテンション低っ!
なんか怒ってる?
でもお金は大事でしょう?
「加護の後付けは良くあるのよ。下位だったらそれこそいくらでも。でも逆は無いわ。普通だったらそんな事しないのよ!だって加護が付いてるのよ!普通そのままありがたく使うとか置いておくとかするでしょ!なんなのよ!この子っ!」
えー?嫌われた?
マジで悲しくなってきちゃった…。
人に嫌われるのって…ツライ。
「ーーあっ!ゴメンね。違うのよリリィ。アンタがあまりにも規格外だからチョット興奮しちゃったわ。アンタが悪い訳じゃないのよ?」
「きかくがい…」
それはそれでショック…。
「…まあいいわ。とりあえずその花、預からせて貰うわ」
「おねがいします。わたしてきに、ブローチとかか、きんちゃくぶくろみたいなものにくっつけるとか…してほしい…のですが…」
あ、難しい顔してる…
キーホルダーみたいなのが無難なのかな?
「と、とりあえずかばんとかふくとかに、つけれるようにしてくれればいいです」
「…考えてみるわ」
カランコロン
「…今日はもう店じまいよっっ!!」
「え!そうなんですか?」
あら、レオだわ。
なんとなく久しぶり。
あ、婚約お断りしてからだからちょっと気不味いかな?
「ーーリリィ!!こんな所で会えるなんて!やっぱり運命の女神はオレに味方してる!」
レオはサッと店内に入ってきたかと思ったら、私の手を取って挨拶のキスをしてきた。
「レオ…おひさしぶりね」
全っ然!気不味さのきの字も無かったわ…。
「あら?レオちゃんもリリィと知り合いなのね?」
「リンリンさん、そうなんですよ。婚約お断りされましたけどね!」
「あら、レオちゃんが断られるなんてねぇ。ま、ミシェル様では難しいわね」
「オレはまだ諦めて無いけどね!」
レオもリンリンさんと知り合いなんだ。
世間って狭いわー。
「これ以上人が入ってくるのはイヤね。とりあえず店閉めるから少し待ってちょうだい」
「今日はザジは休み?」
「そうなのよ、今日はデートだって!いやね!」
レオと軽口を叩きながらリンリンさんが店を閉めに行った。
「おにいさまは、なにかほしいものありましたか?」
「うーん。悩み中…なんだよね。そろそろ本格的に、魔法耐性がついてるものが欲しいと思ってて」
「それこそザジに見てもらった方が良かったかもっすね」
ザジって人は防具とかに特化してる人なのかな?
リンリンさんは?補助系のやつとかなのかな?
アクセサリーにしてるのも多そうだし。
「――――?」
「――!――?」
「―――――――」
何か入り口が騒がしいけど、リンリンさん大丈夫かな?
「ったく!今の何なのかしら。子供が特に用もないのにウチにくるなんて…」
戻ってきたリンリンさんはなんか怒ってる。
「どうしたの?」
レオが心配そうにリンリンさんに聞いてたけど、よくわかんなかったんだって。
「まぁ、いいわ。じゃあリリィ。これは預からせて貰う。仕上がりは…ちょっとわからないわ。セバスに連絡入れるから少し時間頂戴」
「はい。よろしくおねがいします」
「何?この花…凄い加護付きじゃん!」
レオは見ただけでわかるんだ!
お兄様はわからなかったのに。
「そうなの。リリィの持ち込みなのよ。これに加工を…って」
「コレに加工…むぼうってやつじゃない?リンリンさん大丈夫なの?」
「んんっ!!大丈夫よっ!なんとかするのが魔法具師の腕の見せ所よっ」
「リリィ、キミは少し合わないうちに何があったの?」
何が…って説明するの?
めんどくさいんだけどな…
「レオはリンリンさんの所に何の用事だったの?」
「ん?ああ、リングの修理を頼んでて仕上がったって連絡がきたからね。リンリンさん出来てる?」
「ハイこれよ。貴重な物だからもっと大切に使いなさい」
「ありがとう」
リング…オーラが全くの無色って凄い。
物にも魔力とか加護が込められてたら色付きになるのに、オーラはあるけど…無色よね?
マジマジと見てたらレオにちょっと驚かれちゃった。
「リリィ?どうしたの?」
「ん?レオのリングかわってるなとおもっただけよ」
「ーーー。わかるの?」
「え?なにが?」
「――――何にも!リリィ達は今からどうするの?」
一瞬、レオの周りの空気が騒ついた気がしたけど、気のせいかな?
「いまからやたいをみにいくの!」
肉の串を食べるのだ!
溢れ出る肉汁…立ち上る湯気…
「リリィ?」
「ハッ。ごめんあそばせ」
いかんいかん。
話してる途中だったわ。
「レオもいっしょにくる?」
「え?いいの?クリス、大丈夫?」
「ああ、問題ないよ。トマスもいるし、テオとアデライト嬢とも後で合流するからセバスも来るし」
ヒラヒラと手を振るトマス。
トマスって、本当にチャラいわ…。
「じゃあ、お言葉に甘えて、ご一緒させてもらうね。リリィ、エスコートさせてね」
あー。
そういうのは要りません。
「では、りんりんさん、よろしくおねがいします」
「まあ、あんまり期待しないで…」
またまたー。
そして、4人で店を出て目指すは屋台!!
食べるぞー!!
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