110.甘───い!!
レオがスッと膝を突いて手を取り真剣な顔で私を見つめてきた。
ドキドキがバクバクに変わってどうしたらいいのか分からなくなった。
「リリィ……オレは今回の件で本当にリリィを手放すなんてできないって、もう悠長に構えてなんていられないって分かったよ」
「……レオ?」
「ミシェル様の試練は……クリアできていなくても……それは……必ずクリアするから!!」
「レオ??」
レオなんだか苦しそうな顔。
そっとレオの頬に握られていない方の手を添えるとスリッと擦り付けてきた。
「……リリィ」
「──は、はいっ!!」
「オレは……小さい頃からリリィの事を愛しています」
キャー!! 何? いきなりの告白!?
心の準備ができてないーー!!!
バクバク心臓が煩すぎる!!
「必ず幸せにする。絶対に悲しませたりしない。生涯リリィだけを愛する事を誓う」
「──っっ!!」
「結婚してください!!」
──え!? プ、プロポーズ!?
それは……早くない? あ、でもこの世界では小さい頃から婚約……て事は珍しくない?
えと、パニックだけど……嬉しい……
「はい」
「必ず幸せにする!! 前に言ってたみたいにミシェル様達の所にも何回でも帰ったっていいし……」
「えーと、YESです……」
「だけどちゃんと帰って来てくれさえすればオレはリリィの自由は尊重するし!!」
レオもパニック? えーと、落ち着いてもらわなくちゃ。
掴まれていた手を抜いてパチンとレオの両頬を挟んでグイッと目線を合わせた。
「レオ? 落ち着いて。返事はYESよ」
一瞬ポカンとした顔をしたレオはジワジワと笑みが広がって来て満面の笑みになった。
「──!! 本当に!? 昔みたいに保留にしない!?」
あ、確かに昔は保留にしたんだった……
「しない。私もレオの事……好きよ……」
どさくさに紛れて私も言ってしまった。
レオは……チラリとレオを見ると顔を真っ赤にして口元を隠している。
「リリィ……本当に? オレの事……好きって……」
「本当!! 大好き!!」
恥ずかしさもあってレオにギュッと抱きついてみた。
レオもギュッと抱きしめ返してくれた。
──と、思ったらフワリと持ち上げられてクルクルと回り始めた。
周りを精霊達もクルクル回っている。一面が光り輝いていた。
「ち、ちょっと!! レオ!!」
「アハハ!! ヤッタ!! オレだけのリリィ!! もう離さない!!」
クルクル回るのが止まり、フワリと地面に下ろされた。目が少し回ってる……
「リリィ、ありがとう。必ず幸せにするよ」
そっと顎を取られてチュッと軽く唇にキスをされた。
2回目のキスは優しく、離れていく唇に寂しさを覚えて、追い掛けるように目を開くとレオの青い瞳がジッと見つめていた。
「──ッレ……オ」
3回目のキスはすぐに訪れた。
食べられるんじゃないかと思うくらいに激しかった。
私はヘロヘロになってしまって、腰が砕けたかのようにレオにすがりつくしかなかった。
「リリィ愛してるよ」
耳元で囁くレオの声に更に腰砕けになってしまう。
甘い、ひたすら甘いんだよ……私はこの先大丈夫なのだろうか……
『ウォホンッ──お二人さんおめでとう? だけど戻らなくていいのか?』
この甘い雰囲気をぶち壊したのはロウだった。
セル、ネスル、何処にいたのかラスク、オベロンとスコール、ハティ、シエルとセリカがその後ろにいて拍手していたり、ニコニコしていたりしているが、セルに後ろから押されているロウは声をかけるのを押し付けられたのだろう。
一面が祝福ムードで精霊達も光り輝いていたが、問題はまだ解決したわけじゃないんだった。
「そうだった。戻らなくちゃ……」
頭はまだポヤポヤしているけど、帰って王宮に行かないと。
「レオ?」
ギューッと抱きしめて離れないレオ。背中をポスポス叩いてみた。
「──そうだね戻らなくちゃ……」
セリフと行動が伴っていませんが?
「戻ったら、もう一度ミシェル様にお願いに上がるよ。リリィと婚約させてくれって」
「お父様……か……」
あの溺愛お父様か首を縦に振るだろうか……。
「リリィ、大丈夫。オレ今回は引かないから安心して」
レオはそう言って頬にキスをして抱き上げて来た。
「ちょっ!! レオ!!」
「フフ、戻ろうか。ロウ様達も一緒にお願いします」
『はいはい』
そう言って皆で転移魔法で王宮へと戻った。
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