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第52話:あいつのいなくなったこの場所で

 人が魔物を支配する時代は終わった。


 きっかけは空から落ちてきた一人の少年。

 彼は閉鎖的な小さな村から初め、領主、領主に関わる者、果ては世界の在り方まで変えて姿を消した。


 けれど変わらぬものもある。


 人間の王が倒れ、世界の支配権は人間から魔物へと移った。

 かと言って魔物が悪戯に人間の領域に攻め入る事はなく、彼らは相変わらず自分達の思うように生きていた。


 魔物側は何も変わらない。

 今まで通り、好きな場所で生き、好きな時に人間を襲い、喰らい、餌とするだけ。


 変化を必要とされたのは人間達。


 今まで通り魔物を狩って減らそうとしても、神の加護を得て進化した魔物にただの人間が敵うわけがなかった。

 斧や鍬で応戦しようとしても刃が身に通らない。

 彼らは女神に忠誠を捧げる事により、絶対的な加護を得てしまった。


 傭兵を雇おうとしてもあの戦に参加した傭兵はことごとく首を振る。

 彼らは何が魔物を守護しているか知り、力を目の当たりにしていた。

 ある者は傭兵家業から足を洗い、ある者は国を捨て、中には女神に力を捧げるため王都を目指す者もいたという。


 王都に移住した女神と夫、選ばれた民、彼らが主神として掲げるのは『蘇生の神ウィーギル』。

 女神に仕えたいと願う人間はみな、まず神殿によって洗礼と忠誠を誓わされた。

 本来ならば信仰対象はレイアでも良いと言われたが、面倒な事を押し付けた春日に対する細やかな嫌がらせである事は一部の人間しか知らない。



 



 寡黙の隻眼将軍と春の君と呼ばれる妹の二人が、春の君の押して押して押して最後には押し掛けた事により夫婦となるのはもう少し先の話。

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