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第22話:聖女の行方

 男から洗礼を受け、光の精霊と同化した姉レイア。

 血や汚れは浄化されたうえに、身に着けていた小手や胸当ては全身鎧へと変化した。

 腰に下げていた長年の相棒である剣も新品同様に。

 気分的には今すぐ魔物や王軍に突撃しても勝てそうだった。

 気になったのは鎧の変化が終わった瞬間男が呟いたセリフ。


「あ、やば、戦闘に特化しすぎた」


 小さな声だったが位置が近かったので確かに聞こえた――が、もう無視する事に決め、別の事を問いただす事にした。

 色々気になる事はあれどどうしても男の口から聞いておきたい事があと一つ。


「聖女はどうなった、巷じゃ御使い様に連れられて行ったそうだが――そのあとは?」


 兜を取り首を振れば、祝福か加護のおかげか、傷んでいた髪が絹のような輝きを放っていた。


「ふふ~ん、やっぱり気付いてくれるんだねぇそこに」


 どことなく嬉しそうに目を細め、再度座るように促す。


「まず聖女自体はただのお顔の綺麗なただの人間だから、きゅっと殺ったあと魂は消滅、血は食事として当人が寝ている間に食べさせました。俺の本命は聖女の中に植えられていた純血種の『欠片』、無事回収出来て僥倖です」

「言え、集めた欠片はどうした」

「さっき光の精霊いたでしょ」

「おう」

「あれ」

「……」


 男と出会ってからずっとツッコミ続けていた。

 さすがに疲れてきたしもう現実逃避しても誰も責めないんじゃないだろうか。


(聞きたくねぇなぁ、関わりたくないけど退路とか探そうとしたらリリアの命危なそうだよなぁ)


 妹を教会から取り返したくて今日まで来た。

 だが何を間違えてこうなった。

 間違いなく男と出会ったのが運の尽きではあるのだろうが、色々理不尽だ。


「あれはね、光属性の精霊ではなく、『光の精霊』って名前の守護者。ちなみに本体は使った聖女とお姫様を混ぜて作ってみました。作成した本体と欠片を融合させる過程でうっかり俺の力が混ざったらしくって――いやぁ、たぶん万の軍と戦っても勝てるよ」


 無邪気な笑顔を向けられて思った事はただ一つ。


(やっぱ殴りてぇなぁ)

刀鬼「泥遊びをしているみたいで初心に返って楽しかった」

闇精霊「聞かれたら説教されるか今度こそ殴られる。言ったらだめ」

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