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第18話:ツッコミが追い付かない

「やっぱりさぁ、長い時を一人で生きるのって寂しいと思うんだよねー、お嫁さんいたら人生に別の楽しみ見つかるかもしれないし。ちなみに俺の一押しはこちら、ハルバート使いの歩く人間兵器のお嬢さん!」

「!!! っっ!!!」


 こいつ殺す、もう本当にぶっ殺す!!


 殴りかかろうとしたが体は動かず、口も体も黒いもやに拘束されている。苦笑いのような雰囲気が伝わってくるのは気のせいではないはず。

 妹を守るために女を捨てた感があるのは自覚している、だからと言って兵器扱いは酷い、人間まで辞めた覚えは――ない。


(一発殴らせろやぁぁ!!)


 誰だこんな奴と取引したのは!

 妹か姉、どちらか男の友人の嫁になれば教会から完全に逃がしてくれる。そんな言葉を信じた馬鹿はどこの誰だ。


(私だよこんちくしょう!)


 心の中で絶叫したらもやが肩を軽く叩いて同情してくれた。

 目の前の男よりよっぽど話が分かるようだ。

 機会があったら酒を酌み交わしたい程度には愚痴をこぼしたいことが増えていく。


「冗談かどうかは置いておいて、保護して欲しいのは本当なんだよねー、今なら何と城を含んだ王都全体と王座の特典付き!」

「……」


 こいつに突っ込むのは年寄りには無理だ。顎外れそうだし、下手したら心臓止まりかねない、そう判断した女は挙手して発言させろと主張した。


「まず」

「うん」

「王都なんてどうやって落とすんだよ、あちら様は軍隊持ちだぞ」

「すっごい簡単、王様をこうっきゅっとして、王都の人間燃やし尽くそうかなぁって」

「それはただの虐殺だ!」

「後片付けしなくて楽だよ?」

「王都の機能が止まるだろうが」

「中身は他から連れてくるから大丈夫」

「よし、次だ次、次の質問だ」

「うん」


 価値観の違いなんて可愛いもんじゃない、だがいちいち相手にしていたら話が進まなそうなので細かい事(?)は気にしない事にした。


「王座に座るの誰だよ」

「ギルバート、俺の友達。美形で独身、君たちどちらかの未来の旦那様で、現在は某村の領主、種族は多分純血種の吸血鬼」

「リリア、逃げよう」


 虐殺推奨の挙句、王座に就かせた男の妻、つまりは王妃とはどんな冗談だ。

 しかも相手は吸血鬼だとほざいていらっしゃる。これはもう逃げるしかない、可愛いリリアをこれと関わらせてはいけない。

 黒いもやが視界にチラチラしている気がするが、リリアを守るためならば突破するしかないだろう。


「保護してくれるよね?」


 否の言葉を吐ける者などここにはいないだろう。

 綺麗な笑顔が怖かった。

教会はどさくさに紛れて潰したから追手はかかりません。


嘘は付いてないですよ☆

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