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黙想の散歩道  作者: 智康
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死について考えてみたこと 補足2

 前作「死について考えてみたこと補足」で、枠(=状況を感じ取ることを規定すること)が「起きている(覚醒している)こと」で、「起きていること=状況を感じ取ること」であり、「起きていること=状況を保持すること」と書きました。この場合、直ちに「状況を感じ取ること=状況を保持すること」とはなりません。感じ取る対象の状況と保持する対象の状況が異なるからです。また、感じ取る対象は変化した瞬間の状況で(*)、保持する対象は静止した状況です。静止はこれが継続した時に感じ取られますが、静止した状況内には静止の継続を知らせる要素がありません。つまり、状況の静止は感じ取られません。しかし、静止した状況があるからこそ、これの変化を感じ取れるので、感じ取る以外の感覚モードで静止した状況は捉えられるはずです。「保持する」は静止した状況に対応する感覚モードです。

 前作で状況の静止と変化は交互に起きると書きました。変化した瞬間の状況は感じ取られた後、静止し、保持されます。状況の静止は感じ取れないので、実際には、状況が静止し、保持されていても、状況の体験者は変化した瞬間の状況を感じ取ります。だから、この場合は「状況を感じ取ること=状況を保持すること」です。さらに、「起きていること=状況を感じ取ること」であり、「起きていること=状況を保持すること」であるので、「起きていること=状況を感じ取ること=状況を保持すること」(以下、「起きていること」と表記します。)になります。

(*)変化は起きなければ感じ取れないので、変化を感じ取るのは、変化が起きてからです。ここでは、変化が起きたのを感じ取る瞬間の状況を変化した瞬間の状況としています。


 状況を「感じ取る=保持する」時、前の状況は残像として今の状況内に含まれます。状況の体験者はこれに変化を認め、時間を感じます。つまり、時間は状況内の要素です。状況内にあるので、時間は状況を「感じ取る=保持する」ことの存在そのものに関わっていません。

 空間は状況内の要素の位置関係にその存在を認められます。空間もやはり、状況内の要素にすぎず、状況を「感じ取る=保持する」ことの存在そのものに関わってはいません。

 以上から、状況を「感じ取る=保持する」こと、すなわち、「起きていること」は時間・空間とは無関係に存在します。


 「起きていること」は状況を感じ取ることを規定します。今の状況を感じ取ることは、前の状況が保持されることによって可能になります。つまり、前の状況が「起きていること」の対象になることが、今の状況を感じ取ることを規定するのです。そして、同様に今の状況が「起きていること」の対象になることは、次の状況を感じ取ることを規定することになります。これらのことは、「起きていること」の対象となる状況内に表れます。今の状況内にある前の状況の残像は、前の状況が「起きていること」の対象だったことを直接、示します。そして、変化した瞬間の状況を感じ取ることは、そのまま、この状況を保持することであり、状況の保持は、そのまま、次の状況の到来を予期し、これを待つことになります。

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