状況の半残像化の構造2 補足
前作「状況の半残像化の構造2」で書いたように、半残像化の起きた状況では、単身の無感覚の出現した状況の残像と出現時の無感覚の重ね合わせに、無感覚の出現した状況から出現時の無感覚への変化と錯覚による、出現時の無感覚から単身の無感覚の出現した状況の残像への変化が生じます。
単身の無感覚の出現した状況の残像には、無感覚の出現が一つ前に起きたことが含まれますが、錯覚による無感覚の出現が一つ前に起きたことは含まれません。出現時の無感覚には、錯覚による無感覚の出現が含まれますが、無感覚の出現は含まれません。このため、無感覚の出現した状況から出現時の無感覚への変化は、無感覚の出現が感じられなくなる変化と錯覚による無感覚の出現が感じられるようになる変化が足し合わされたものです。この変化が示すのは、無感覚の出現が起きたのが一つ前であり、今(=状況の半残像化が起きた時)ではないことと錯覚による無感覚の出現が起きたのが今であり、一つ前ではないことです。
錯覚による、出現時の無感覚から単身の無感覚の出現した状況の残像への変化は、無感覚の出現が一つ前に起きたことが感じられるようになる変化と錯覚による無感覚の出現が感じられなくなる変化が足し合わされたものです。前作で書いたように、無感覚の出現が一つ前に起きたことが感じられるようになる変化は、無感覚の出現した状況の残像化と無感覚の出現が感じられるようになる変化が足し合わされたものです。だから、出現時の無感覚から単身の無感覚の出現した状況の残像への変化が示すのは、無感覚の出現が実際に起きたのが今であり、一つ前ではないことと錯覚による無感覚の出現が起きたのが一つ前であり、今ではないことです。
無感覚の出現した状況から出現時の無感覚への変化と錯覚による、出現時の無感覚から単身の無感覚の出現した状況の残像への変化は互いに打ち消し合います。これら2つの変化は、無感覚の出現と錯覚による無感覚の出現がいつ起きたかについて、互いに矛盾する事実を含みます。だから、この打ち消し合いでは、無感覚の出現した状況から出現時の無感覚への変化に含まれる、無感覚の出現が起きたのが今ではないことと錯覚による無感覚の出現が起きたのが一つ前ではないことが、出現時の無感覚から単身の無感覚の出現した状況の残像への変化に含まれる、無感覚の出現が今起きたことと錯覚による無感覚の出現が一つ前に起きたことを打ち消します。出現時の無感覚から単身の無感覚の出現した状況の残像への変化に含まれる、無感覚の出現が起きたのが一つ前ではないことと錯覚による無感覚の出現が起きたのが今ではないことが、無感覚の出現した状況から出現時の無感覚への変化に含まれる、無感覚の出現が一つ前に起きたことと錯覚による無感覚の出現が今起きたことを打ち消します。このため、単身の無感覚の出現した状況の残像と出現時の無感覚の重ね合わせに生じる、2つの変化の打ち消し合いによって、無感覚の出現と錯覚による無感覚の出現は共に、一つ前に起きなかったし、今も起きないということになります。
半残像化の起きた状況では、無感覚の出現した状況の残像が2つ重ね合わさって、この重ね合わせにも、無感覚の出現と錯覚による無感覚の出現がいつ起きたかについて、互いに矛盾する事実を含んだ、2つの変化が生じます。これら2つの変化の打ち消し合いによって、無感覚の出現と錯覚による無感覚の出現は共に、一つ前に起きなかったし、今も起きないということになります。